今やスマホの標準機能としても搭載されているIC(ボイス)レコーダー機能。
スマホだけではなく、一部のスマートウォッチにも搭載されてたりもしますが、デフォルトアプリでは録音するだけの至ってシンプルな機能です。
専用アプリを用いれば倍速再生やリピート、インデックス他機能面はカバーできるものの、ICレコーダーに比べてノイズが入ってしまったりと、音質にどうしても差が出てきます。
ただICレコーダーはコンパクトサイズとはいえ、今のご時世特別な職種でもない限りわざわざ持ち歩くことは少ないと思います。
そこで今回紹介するのは、ボイスメモはもちろん長時間録音やノイズ低減など、音声を録音するのに特化した手のひらサイズのミニレコーダー「iZYREC スマートミニレコーダー」のレビューをしていきます。
※本記事作成は、サンプル品をご提供いただいた1月中旬頃となります。出来る限り修正を加えていますが、現行品との若干の差異はご了承ください。
Contents
iZYREC スマートミニレコーダー インプレッション
主な特徴は、
- 本体重量18g薄型軽量コンパクト設計
- 連続30時間録音、最大75日間待機
- 無音状態を録音しないVAR機能、高性能ノイズキャンセリング機能搭載
となります。
またiOS/Android両OSに対応したアプリを介せばBluetooth接続やWi-Fi接続も可能なので、録音データへのアクセスはいつでも可能です。
ファイル形式はWAV、録音時間は30時間、ストレージは32GB(実質約29GB)、ノイキャンや音声認識機能など、一見すると近いスペックのコンパクトかつ5,000円以下の安価なボイスレコーダーは巷にあふれていますが、意外に無線対応のものは少なく、データ管理は有線(OTG)のものがほとんど。
iZYREC(イージーレック)のミニレコーダーは、これまでの機能に加え、無線接続できるため優位性はかなり大きいと思います。
ちょっとしたボイスメモはもちろん、議事録、講義やセミナー、テープ起こしや語学の学習、パワハラ対策や不貞調査に至るまで、よりクリアな音質で残したいなら持っていて損のない活用しやすいアイテムです。
- 手のひらサイズでコンパクト
- ノイズキャンセル機能搭載
- 専用アプリ&無線対応
- 防塵防水防風対応無し
- 屋内利用向け
スペック紹介
iZYREC Smart Mini Recorder | |
モデル | MR-001 |
カラー | ブラック |
---|---|
マイク | デュアルマイク |
充電ポート | USB Type-C |
最大ビットレート | 1536kbps |
ストレージ容量 | 32GB※システム含む |
バッテリー | 3.8V 450mAh |
最大録音時間 | 30時間 |
ファイル形式 | WAV |
サイズ | 50mm x 43mm x 6.3mm |
重量 | 18g |
※取説・クラファンページ・公式サイトから抜粋
iZYREC スマートミニレコーダー 実機レビュー
「iZYREC スマートミニレコーダー」には、純正のキャリーケースがあります。
後述にて合わせてレビューしていきます。
化粧箱・パッケージ
恐らくグローバル版兼用の化粧箱なので、化粧箱に技適の記載はありませんが、無線対応ということで国内の法令にもちろん順守しています。※国内分には記載されているそうです。本機はサンプル品のため記載なし。
内装材はよりシンプルです。
背面の印字は外装の化粧箱と同一の内容となっています。
【パッケージ内容】
-
- レコーダー本体 × 1
- クリップ × 1
- USB-Cケーブル × 1
- ユーザーマニュアル × 1
サンプル提供時は英語版のみですが、各種言語に対応していくようです。
筐体・デザイン
サイズは手のひらどころか第二関節までの指2本で収まるほどの小ささに、かさばりにくい薄型&軽量設計です。
ファンクションはほとんどが側面で、中央部に充電ポートを配置。
左右の窪みは集音用マイクかと思いましたが、デザインのようです。
もしかしたら、今後何かしらのアタッチメントが装着できるようになるかもしれません。
側面上部には、マイク、LEDインジケーター、電源があります。
そして下部側面にもマイクが配置されています。
筐体全体が樹脂製で、光沢が抑えられたマットな質感。
そこまでタフな作りではないので、アウトドアよりは、恐らくインドアでの利用が想定された製品といった印象です。
付属のクリップはマグネットになっていますが、本体側に磁力はなく、本体側にクリップ装着のための金属板を両面テープで固定するタイプです。
その(金属板+シール)ため一旦取り付けたら原則着脱不可。
上図は実際に貼り付けた状態です。
見た目的にやや不格好になってしまうのが、個人的にやや不満。貼るのを一瞬躊躇しました。
最初から本体側にマグネットを内臓していてくれれば、クリップを外した際余計な凹凸もなく、よりスッキリしたはず。
この部分については少し設計に不満を感じます(本体重量を少しでも軽く見せたかったのだとは思いますが)。
iZYREC スマートミニレコーダー キャリーケース 実機レビュー
ケースのカラバリはブラック/ブルー/グレー/ネイビーの4色展開。※後述
本記事ではグレーを紹介していきます。
ケース開閉部はマグネット仕様。
大きさは名刺入れやカードケースと同様ポケットにすっぽり収まるサイズ感で、スタイリッシュに仕上がっています。
内部はゴムバンド、カード用のポケットがそれぞれ2つ設けられており、ベロア地のような肌触りのいい触感です。
まさに「iZYREC スマートミニレコーダー」専用に設計された専用のキャリーケースです。
専用キャリーケースは、上記4色展開。
遊び心は控えめですが、シンプルで落ち着きのあるカラーバリエーションとなっています。
広告
iZYREC スマートミニレコーダー 使用感・評価・感想
少し見づらいですが、画像は手動録音モード使用時で、赤ランプが点灯しています(アプリで消すことも可能)。←※リリース当初は可能でしたが現在は不可
スイッチひとつで起動するので、サッと録音したいときに重宝するモードとなっています。
電源スイッチを左右にスライドすることでモード変更できる仕様です。
そして画像がアプリ使用時。ランプは白色に点灯します。
いずれもセンターに戻せば停止となります(アプリ使用時はスマホ他端末側でも操作可能)
アプリはiOS/Android両OSに対応。
各ストアにて「iZYREC」で検索すると出てきます。
アプリ使用にはアカウント登録する必要があります。
アプリ使用時に権限を与えていきBluetooth接続すれば準備完了。
シーン選択にて「メモ」「会議」「授業」などシチュエーション別に選べるほか、録音モードでは「オリジナルサウンド録音」か「AIノイズ低減」かを周囲の騒音環境に合わせて選択できます。
また音声起動録音(VAR)や、プライバシー設定(起動時のUディスク機能無効)、録音シグナルライト(録音中LEDの点灯の有無を任意で指定)のON/OFF、録音場所を残すかどうかなども選べます。
音声ファイルは、各ファイルごと名前の変更や情報確認、タグ付け、削除が可能です。
再生は2倍速まで可能で、シンプルながら無駄のない比較的わかりやすいUIとなっています。
音声を再生するには、BluetoothやWiFiによる無線のほか、スマホならOTG、PCならUSB接続にて行えます。
集音テスト
録音環境は、レコーダーから5m先でテレビを起動、20cmの距離でスマホより群衆の音声再生、ならびに換気扇下という疑似的な喧騒空間を作っています。
また、シーン選択は「メモ」、録音モードは「AIノイズ低減」、レコーダー本体は換気扇に極力近づけ、レコーダー本体は自分から1m程の距離です。
この環境下で録音するのは酷でしたが、この最悪の状況下にもかかわらず、音声は問題なく拾えていて、雑音も少なく処理されているのに驚きです。
次にほぼノイズの入らない環境で録音。レコーダーとの距離は同じく1m程度です。
短い音声ですが、かなりクリアではないでしょうか。
環境次第ですが、防音部屋など環境音が抑えられる環境なら、多少距離があってもvlogや実況系、語り系など音声向けコンテンツの専用マイク兼レコーダーとしても充分使えます。
付属のクリップを襟元に挟んで使えば、音声はよりクリアになるため、ワイヤレスピンマイクとしても活用できそうです。
試しに比較でスマホのレコーダーも試してみたところ、音声は聞き取れるものの明らかにノイズや雑音が含まれ、音質は雲泥の差が出ます。
コンパクトながら優秀な機能
マイク(レコーダー)から1m、3m、5m、ぐらいの間隔でそれぞれ人を配置し、同じく「AIノイズ低減」モードにて、会議のような環境でも試してみました。
日常的な雑談を録音しただけなので音声は割愛しますが、多少の雑音があっても問題なく使えます。
雑音が全て掻き消えるとまではさすがにいかないものの、各々の声は比較的クリアにはっきり聞こえ、音声のみを拾ってくれます。
一定以上の音を検知して、”会話だけ”を狙って録音してくれる「音声起動録音(VAR)」は、あればあったに越したことはありません。
ただセミナーなどに行く機会がほとんどない著者にとってはイマイチ必要性をそこまで感じないこともあり、使いどころをやや選ぶ印象です。
現時点でビットレートは256kbps、ファイル形式はWAVとなっており、240時間程度は録音可能です。
今後のアプデでビットレートの選択などもできるようになるかもしれません。
なにはともあれ、アプリを介さずともワンタッチで起動→録音ができるのは、スマホのボイスメモに比べ、その手軽さは段違い。
ストレージの許す限り、好きな時に好きなだけ独立して使えるので、学業他ビジネスシーンでも幅広く利用できそうです。
気になった点・注意したほうがいい点
気になったというより想定内のことですが、
- タフな環境ではやや使いづらい
程度です。
防塵防水はもちろん、防風対策も施されていません。※AIノイズ低減機能で風切り音を削除出来ているケースもあり、環境次第では使える可能性あり。
プラスチック素材なので堅牢性はそこまで期待できず、ウィンドスクリーンもないため、風が吹く屋外での録音はやや不向き。
またデュアルマイク搭載で360°音はしっかり拾ってくれますが、あくまでも無指向性マイクなので、環境音が入ってしまうような録音にはやや使いづらいです。
AIノイズ低減機能を搭載しているとはいえ、よりクリアな音質でデータを残したいなら、できるだけ喧騒は避けた方がよさそうです。
その他細かい注意点は下記ご参照ください。
- 音楽モードでの録音
録音モードを音楽にした時は高音質音源(48KHz/16bit)での録音。この際、音声ファイルサイズが大きくなりBluetooth転送が出来ないため、アプリ表示がされません。USBによるPC接続にて、録音した音楽ファイルを確認・再生・DL可能。 - 録音モードによる違い
音楽以外の設定は保存フォルダおよびタグが分かれるのみで、録音品質は同じ。音楽時のみ高音質音源録音可。 - 最大録音時間
最大録音可能時間はフル充電で30時間、充電しながら録音する場合、本体のキャパ限界の32GB(240時間)まで録音可能。 - 長時間録音の際のファイル分割
長時間連続録音時のファイルは、4時間59分毎に分割されて保存。 - 転送時のBT/Wifi切替
ファイル容量が大きい場合、転送にWifiモード使用で高速転送可能。 - ファームウェアアップデート
現在最新バージョンがリリースされており、手動にてアップデート可能。
iZYREC スマートミニレコーダー 総合評価
データ管理はスマホならOTG、PCならUSB接続にて有線上でもデータ管理は可能。拡張性は高いです。
WAVファイルなので、長時間の録音ともなればそれなりにファイルサイズは大きくなりますが、クラウドへの保存も可能になるようです。
著者は以前営業職だったので、これまでレコーダーを使う機会といえば、商談前のロープレやクライアントと合意のもと音声をよく録音していました。
当時本製品があれば間違いなく活用していますし、学生時代だったなら、出席できなかった講義などを友人に録音してもらうこともできたと思います。
手のひらサイズのミニレコーダー。学生はもちろんビジネスマンにもおすすめの常時携帯したいアイテムです。
【総合評価】 | |
製品名 | iZYREC Smart Mini Recorder |
総合おすすめ度 | 4.4 |