波乗り(サーファー)の宿命、サーフボード破損。
現在は「Lib Tech(リブテック)」のようなタフでエコなボード、怪我(小傷)リスクの少ないソフトボードといった選択肢もありますが、多くの人はEPSやPU素材のボードを使っていると思います。
EPSのセルフリペアはややハードルが上がるものの、サーファーたるものちょっとした小傷程度のセルフリペア経験は多かれ少なかれあるハズです。
今回は、「フィンボックス(FCS X-2プラグ)が破損したPU素材のボードのセルフリペア(DIY)」方法を紹介していきます。
Contents
フィンボックス(フィンプラグ)破損をDIYで交換
今回下記ブログを(思いっきり)参考にしています。
また「そういえばフィンボックスが逝ってしまって以来使ってないボードあったなぁ」と5年以上放置していたボードを、失敗してもいいからダメもとで直してみようかな程度の思い付きで始めています。
先に結論を言っておきますが、
- プロに頼もう
です。
とはいえ個人的には、適当にやった割には及第点としているので、生暖かくご参照ください。
必要なもの(材料その他)-準備編
必要な材料は、
- FRP(ガラスマット、硬化剤セット)
- FCSフィンボックス(今回は初期型のFCS X-2)
- サンドペーパー
- 攪拌用容器
- 割りばし(ヘラやブラシでも可)
- マスキングテープ
といったところです。
攪拌用の容器は紙コップなどで充分ですし、マスキングも雑な仕上がりにはなりますが、なければなくてもいいかもしれません。
ほとんどが家庭内にあるもので賄えるので、FRPさえ用意出来れば3,000円以内の予算で可能です。
かなり敷居は低めなので、“そこまで大事にはしていないけど直ったらいいな”程度のボードがあれば挑戦してみることをおすすめしておきます。。
FRPは補修セットがオススメ
FRPとは繊維強化プラスチックのことで、PUサーフボードの外周にはFRPが使われています。
ガラスクロスやカーボンクロスを巻いてさらに強度を高めてGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)とかCFRP(カーボン繊維強化プラスチック)となります。
ホームセンターでもバラ売りもしていますし、ガラスマット入りのセット販売もされています。一般家庭に大量にあっても使い道は少ないので、少量でのセット購入がオススメ。
ただサーフボードに限らず車のバンパー補修なんかにも使えるので、幅広い用途に使えます。
FRP樹脂にはインパラ樹脂とノンパラ樹脂があり、今回はインパラフィンです。ザックリですが下記のような違いがあります。
- インパラフィン:表面が硬化してツルっと仕上がる。研磨も可能。
- ノンパラフィン:表面がベトベトして硬化しない。何度も積層する場合に使う。
FCS X-2プラグ(フィンボックス)の入手方法
現在のフィンシステムといえばFCS FUSIONプラグやワンタッチのFCS2、FUTURES(フューチャー)のフィンシステムですが、今回は初期型のFCS X-2プラグです。
筆者はネット上で探しましたが、一部サーフショップなども取り扱いがあるようです。
中古ボードや旧世代のサーフボードがメインの人は予備で持っておいてもいいかもしれません。
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フィンボックスのリペア方法
リペア方法といっても、大したことはしていません。
- 研磨してバリをとって均(なら)す
- ポリエステル樹脂にガラスマットと硬化剤を入れて攪拌
- FRPを流し込んでフィンプラグを定位置に収めて硬化
- 研磨し均す
ざっとこんな流れです。
※本当はガラスマットを敷くのが本来の使い方ですが、面倒だったので冒頭にあげたブログ同様刻んで混ぜています。(後述)
研磨してバリをとって均(なら)す
サーフボード内部は発泡フォームですが、フィンボックス周りは元々の樹脂で固められています。
筆者のボードは内部でバリバリに割れていたので全て掻き出し破片も取り除いていきます。
手に引っ掛かるようなバリがなくなったらよしとしてひらずら削っていきます。
墨付け
実際に取り付けたりしながら大体の位置を墨付けしていきます。
前後の位置も再度確認。
※手元にマスキングがあったので使ってみたものの、1回で済ませたのでマスキングの意味はあまりなかったです。硬化→研磨を慎重に微調整するならマスキング必須です。
ポリエステル樹脂にガラスマットと硬化剤を入れて攪拌
前述した通り、ガラスマットは切り刻んでまぜています。マットを切り刻んでいるため大した強度はないと思いますが一応気休めです。
このあと硬化剤(1~3%程度)を数滴入れてさらに攪拌します。
FRPを流し込んでフィンプラグを定位置に収めて硬化
自分でいうのもなんですが、ひどいですね。圧倒的に「(サーフボード本体の)削りが足りない」、そして「盛りすぎ」です。
本来は、FRPを塗ってガラスマットを敷いてFRPを塗るのが正解(だと思います)。
ですが浸水もして欲しくないので、ひたひたの状態でこのまま硬化させます。
※盛りすぎているせいもありますが、気温も湿度も低かったせいか研磨できるほどの完全硬化には2~3時間程度かかっています。筆者は研磨を翌日の作業としました。
最初はイモネジ挿入部分とフィンボックスに樹脂が流れ込まないようプラグにもマスキングしてたんですが、うまいこといかず結局そのまま(適当に)位置決めしました。
研磨し均す
気泡も抜かず割りばしで適当に伸ばしただけなのでひどい状態です。
とはいえあとは研磨するのみ。納得がいくまで削っていきます。
今回使用したサンドペーパーは家庭内で眠っていたドライの100番手前後1枚です。
仮付けして高さ調節
ざっと削ったら高さも調整していきます。
盛りすぎてしまったのでどうやってもすいてしまいますが、致し方なし。
さらに削った後、イモネジを締めて、フィンについた凹み位置を確認。フィンの凹みもセンターに来ていたのでこれで良しとします。
フィンボックス(FCS X-2プラグ)交換セルフリペアまとめ
適当にやりすぎたことが一番の失敗ですが、垂れないように(盛りすぎないように)まわりこそマスキングするべきでした。
表面の(鼻水が伸びたような汚らしい)凹凸はもう少し削れば減らせるものの、本体も多少削っていくことになるのでここでやめておきます。
肝心の強度は、左右比べるとリペア部分の方が弱いです。耐久性はやや不安がありつつも何度か入水してみて浸水もなければもげてきそうな雰囲気はありません。
大事にしているボードでこの状態なら個人的にも到底納得は出来ませんが、ダメもとでの施工だったのもあり、この仕上がりでも充分納得できますし、次回はもう少しうまくできると思います。
FRPが余っていたのでついでにノーズやレール、テールのガリ傷も補修できたのでレジン補修の手間も省けて一石二鳥で満足です。
【総合評価】 | |
施工内容 | フィンボックス(FCS X-2プラグ)交換セルフリペア |
難易度 | 3.0 |
※あくまでも今回の仕上がりレベルでの難易度です