突然ですが、雛祭りは三月三日とは限りません。
雛祭りは『桃の節句』、三月三日に行うところがほとんどだと思います。ですが地域によっては四月三日のところもありますよね。
江戸時代までは和暦(太陰太陽暦)の3月の節句(上巳、桃の節句)である3月3日(現在の4月頃)に行われていた。明治の改暦以後は一般的にグレゴリオ暦(新暦)の3月3日に行なうことが一般的になった。一部の地域では、引き続きに旧暦3月3日に祝うか、新暦4月3日に祝う(東北・北陸など積雪・寒冷地に多い)。
著者には姉がいるため、桃の節句にはひな壇を飾る環境でしたし、私の地域では新暦にあわせて4月3日にひな壇を飾っていたと記憶しています。
現在我が家には女児がいるため、本来であれば、新暦に従うべきかもしれませんが、これについては特に決まりもなさそうなので、通常通り旧暦3月3日に向けた雛祭りをしています。
ただ、昨今の家庭事情を鑑(かんが)みると、スペース的な都合でひな壇を置けないご家庭も多いと思います。
そんなご家庭におすすめなのが、博物館や美術館等各地で開催されているひな祭りイベントです。
今回は、親子で歴史や建物までも楽しめる、『沼津御用邸記念公園桃の節句ひな祭り』に行ってきたので見所をたっぷり解説していきます。
Contents
沼津御用邸とは
※いつもの調子で書くのが少しはばかれるのでしっかり書きますね。(少し文章が硬く感じるかもしれません)。
近くに住んでいながらも一度も足を踏み入れてたことはありませんでした。行ってみてビックリしましたが、ものすごく広いです。沿革を少し。
沼津御用邸は明治26(1893)年、大正天皇(当時は皇太子)のご静養のために造営されました。
御用邸は皇室が主として保養のために用いる別邸で、いわばリゾート施設です。
今は市が運営していて、一般向けに解放されています。
- 開園時間:9:00~16:30
- 入園のみ:大人100円・小中学生50円(幼児は無料)
- 観覧料込:大人400円・小中学生200円(幼児は無料)
団体料金はまた別途になるので、HPをご参照ください。
【公式サイト】沼津御用邸記念公園
とにかく広い敷地
ここではそこまで詳しくお伝えしませんが、季節ごとにイベントがあります。今回行ったのは桃の節句にあわせた雛祭り展です。ですが、イベントを外しても年間を通して、観覧できます。
実際内覧できるのは東西あるうちの西付属邸。とにかく広いです。簡単に説明を載せておきます。
西附属邸は明治38年、皇孫殿下(明治天皇のお孫さん=昭和天皇 4歳、など)の御用邸として設けられたことに始まります。その後数回の増築が行われ、大正11年には現在の形になりました。松林に囲まれた約、10,000平方メートルの敷地に建つ総面積1,270平方メートル、部屋数26室の木造平屋建て和風住宅です。
ピンと来ないかもしれませんが、敷地内全部歩いたらかなりの広さです。建物も見応えがありました。 個人的には木造平屋建ての純和風建築に興味をそそられました。
散歩にも最適
上記にも書いた通り、西付属邸の内覧をしなければ100円で敷地内の散策が出来ます。管理も行き届いていて、松林や樹木も楽しめます。では早速入っていきます。
こちらでチケット購入します。簡単に近代の皇族の歴史も学べます。売店も併設されているので、小物やお菓子も購入できます。
今回の(妻の)目的は『ひな祭り』だったのでそのまま皇孫殿下がすごされた、西付属邸を目指します。入ってすぐの廊下の写真です。
改修工事されているんですが、これが明治に建てられた建物なんだ、と感慨深かったです。
各部屋ごとに当時実際にご使用になっていた家具・備品などが展示されています。
水廻り
どこまでを改修しているか少しわかりませんでしたが、水回り1つでも歴史を感じるとともに、細部の丁寧な作りこみに職人さんの思い入れも伺えます。
-略-建物のいたみも目立つようになったことから、旧御用邸建物の改修と庭園の再整備を、沼津御用邸造営百周年、市制70周年に当たる平成5年から本格的に行いました。平成5~7年にかけて西附属邸が、同8~10年にかけ東附属邸の改修が行われ、面目を一新しました。
随所に高床式
僕が一番面白かったのは建物の基礎部分が高めに作られていることでした。その分土間はかなり低い位置で、写真内の窓枠の高さが床の高さになってたりします。
後付けだとは思いますがレッドカーペット調の長い廊下を歩き、いよいよひな飾りです。
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歴史を感じるひな壇たち
写真が多くなりすぎるので一部だけ載せておきます。聞いたところによると市民の寄付によるもがほとんどのようです。
大名びな
スマホ撮影でピントも合ってなければわかりにくいですが「大名びな」です。吊るし雛もたくさんあります。
明治のひな飾り
顔が少しのっぺりしています。装束も現代とは若干違いますね。
各年代のひな飾り
下から大正、明治、江戸の雛飾りです。年代が新しくなるにしたがって色合いが煌びやかになっているような気がします。昭和のものもありましたがここでは割愛しておきます。
庭園には海岸と松林と樹木
沼津と言えば千本浜海岸が有名ですが、こちらの立地も海岸沿いなので、同様に、広大な松林があります。
全て柵で仕切られていますが、海岸沿いを歩けば近くにある小高い丘、『牛臥山』も望めます。※海岸は御用邸に入らなくても歩けます。
海岸風景
この一帯は夏場は『島郷海水浴場』という海水浴場です。正直綺麗なビーチではありませんが目の前には伊豆半島(西伊豆)が臨めます。
松林風景
もう少し空気が澄んでいれば空が青々してたと思うんですが天気が良かったので歩くのに最適でした。※なかには杉も多少あると思うので花粉症の方はつらいかもしれません。
樹木
スマホでこの接写が撮れれば、もはや一眼使わなそうです。もう少し遅い方が見ごろだと思いますが梅も植えられています。
まとめ
写真が少し多めになってしまいましたが、徹底した建物の管理や敷地内や近隣の美しい景観など、少し伝わったかと思います。こういうゆっくりした時間を過ごすのもたまにはいいですよね。
従業員のおばさんが、若い人にこそ是非来てほしいとおっしゃっていました。これから端午の節句でもイベントがあるそうなので、お近くに来た際は是非いかがですか。
沼津御用邸記念公園
〒410-0822 静岡県沼津市下香貫島郷2802-1
TEL:055-931-0005 FAX 055-933-3614
東附属邸 TEL・FAX:055-931-2233
得点: 4.2点