業務用厨房機器の中でも、横型冷蔵庫（コールドテーブル）は一般家庭でも流用しやすい冷蔵庫です。
前回は業務用の冷蔵庫を設置するときの注意点（縦型冷蔵庫、並びに縦型冷凍冷蔵庫に）ついて書いてみたので、今回は横型冷蔵庫、通称"コールドテーブル”の、失敗しない選び方について書いていこうと思います。
お店を持ちたい方はもちろん、ご家庭でも充分おけるサイズの物もあるので、検討してみてはいかがでしょうか。ステンレス、めちゃくちゃカッコイイですよ。
縦型冷蔵庫はコチラ
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コールドテーブル（横型冷蔵庫）ってどんなもの？
飲食店でアルバイトしたことがある人は目にしたことがあると思います。また、最近ではコンビニにも常設されてますね。下記のようなタイプの冷蔵庫です。
見て分かる通り、天板が作業台になってます。「開けて、出して、置く」という一連の動作がスムーズにできます。盛付台としても使える万能冷蔵庫です。
縦型に比べて庫内はもちろん小さいですが、スペースもそんなに取らないので、ほとんどの飲食店で使われています。
設置可能場所-導線など-
業務用目線でお伝えしていきますが、コールドテーブルをどんなところで使うかと言えば、熱機器の隣でも冷機器の隣でも作業台の隣でも、正直どこでも設置できます。
また、アイランドにして流しとつなげることも出来ますし、製氷機の横へつなげてドリンク用スペースにすることも出来ます。
縦型の冷蔵庫が置けない、スペースが限られた店舗（スナックとかその他色々）では、カウンター下へ納めてメインの冷蔵庫にしたり、ドリンクやサラダ、その他調理補助など、サッと出してサッと使える（移動しなくてもそこで全て完結できる）場所に設置することが多いです。
キッチンに入ってる人がよく使う（一番長くいる）場所を選ぶ場合が多いです。
言葉だと少し分かりにくいかもしれませんが、作業台兼冷蔵庫として、縦型冷蔵庫のサブ的役割を果たします。
サイズの説明
サイズもそこまでたくさんあるわけではないので、簡単に説明しておきます。
規格で決まったサイズなので覚えておくといざ選ぶときご参考にしてください。
横幅（Wide）
サイズは前回同様大体尺きざみです。W（横幅）600mmから始まり、縦型冷蔵庫にあるW900mmと言うサイズはありません。メーカーによってW750mm、W800mmと中途半端なものもありますが、一番よく使われているサイズはW1200mmです。
そして次に大きいのがW1500mm、そして1800、2100と続きます。
店舗もそうですが一般家庭でもW1200mmぐらいが一番使いやすいと思います。
奥行き（Depth）
奥行きは一部イレギュラーなものもありますが、大きく分けて薄型のD（奥行き）450mm、そしてD600mmの二種類です。
どちらもよく使われていますが、スペースに余裕があれば600mmを選べばいいですし、余裕がなければ450mmを選べばいいだけです。ただ、450mmの奥行きだと庫内容量はかなり狭くなるのでご注意ください。
高さ（Height）
高さは規格で決まっています。ほぼすべてのメーカーが800mmを基準にしています。もちろん高さ変更は可能ですが、別売のコールドテーブル用の足を購入しなければなりません。
住宅設備では最近、日本人の身長が伸びてきたこともあって800mmだけではなく、850mmを標準規格としていたりするんですが、業務用は若干遅れている節があります。※背の高い男性だと900mmにそろえたいという方もいます。
大きな違いは排水
設置に関してはさほど難しいことはありません。基本は運んで置くだけなので力さえあればOKです。
家庭用冷蔵庫との大きな違いは、排水工事が必要なことです。
家庭用の冷蔵庫は霜取りの排水を蒸発出来る仕組みになってるんですが、業務用の場合、垂れ流しとなります。通常飲食店で設置する場合、コールドテーブルのトラップからジャバラを使って排水溝へ流します。
といっても、ドバドバと水が流れてくるわけではありませんので排水が取れない人はバットなどの受け皿で対処できます。
でもこの方法は清潔に保ちたいとなると、衛生上あまりオススメできません。
排水工事が不可能な場合、オプションで『強制蒸発皿』をつけれることで、排水工事をする必要が無くなります
Tips
強制蒸発皿の価格は、メーカーによって金額・工賃が異なるためご購入店舗、または厨房機器メーカーにお問い合わせください（それなりに高いです）。
また、湿気の多い夏場が一番結露が発生しやすく、排水が多くでます。キッチン内は結露もつきやすい環境なので、受け皿（バット等）で対処する方は1日に一回程度排水の確認をするようにしてください。
音も大きい
全体的に、音は家庭用の冷蔵庫と比べると大きいです。
ただし、コールドテーブルの中にも比較的音が大きいタイプと小さいタイプがあります。
コールドテーブルの熱交換の方式は２通りあり、自然放熱するタイプとファンモーターで放熱するタイプです。
当然静かなのは自然放熱の自然対流式タイプです。
自然放熱するタイプ（パナソニック：SUC-N1241J）
ファンのタイプ（ホシザキ：RT-120PTE1）
こうしてみるだけだとよくわからないと思いますが、自然対流式は、開閉のたびに冷気が逃げたときの冷却に時間がかかります。
冷却能力をとるとなると、ファンのタイプ一択になると思います。この際なので音は我慢しましょう。
Tips
音は感覚なので個人差によるところが大きいです。人によっては自然対流式タイプでもうるさいと感じる場合もありますし、ファンモーターのタイプでも気にならないという方もいます。また、省エネ仕様など静粛性も向上してきているため、そこまで心配する必要はないと思います。
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電源の確保と電気について
コールドテーブルは、工事の必要がありません。ご家庭の単層100Vをそのまま使用できます。
ただ、電気代の側面で見ると、設置環境や開閉頻度などにより金額は異なるものの、ランニングコストは業務用の方が割高です。
加えて、業務用もインバーター機能（簡単に言うと省エネ）付きの冷蔵庫がラインナップに加わりましたが、通常タイプに比べ割高です。そのため、そこまで需要は高くありません。
節約したいという方は、それも一つの選択肢にするといいと思います。
Tips
コンセントプラグの形状がメーカーによってアース付きの三口のものがあります。そんな時はホームセンターで下記アダプタを買えば問題なく使えます。
ご家庭用おすすめ機種ベスト３
ご家庭でも使える（スペースがあった場合）プロ御用達のおすすめ機種をご紹介していきます。
サイズも値段も一番安い物を取り揃えて有りますのでチェックしてみてください。
第１位：RT-120PTE1 ホシザキ コールドテーブル
内装樹脂（とステンレスがある）タイプですが一番よく出ている機種です。
営業所も各地にあり、全国シェアナンバーワンなのでメンテも安心です。
仕様
- 【メーカー】ホシザキ
- 【型 番】RT-120PTE1
- 【電 源】単相100V (50/60Hz)
- 【外形寸法】幅1200×奥行450×高さ800(mm)
- 【内形寸法】幅915×奥行350×高さ591～595(mm)
- 【庫内温度】-3～12℃(周囲温度30℃)
- 【有効内容積】185リットル
- 【消費電力】冷却時146/151W 霜取時31/31W
- 【内 装】ABS樹脂
- 【製品質量】51kg
第２位：TMU-40RE2 フクシマ コールドテーブル
コチラも一部上場企業福島工業の薄型タイプです。
個人的な意見ですがフクシマの方が製品はしっかりしていると思います。分解するとより分かります。
仕様
- 【メーカー】フクシマ
- 【型 番】TMU-40RE2
- 【電 源】単相100V(50/60Hz)
- 【外形寸法】幅1200×奥行450×高さ800(mm)
- 【内形寸法】幅860×奥行318×高さ620(mm)
- 【有効内容積】170リットル
- 【庫内温度】-5～10℃
- 【消費電力】冷却時130/125W 霜取時176/176W
- 【内 装】樹脂鋼板
- 【製品質量】70kg
第３位：SUC-N1241J パナソニック（ 旧サンヨー） コールドテーブル
昔ながらの熱交換方式を採用している機種です。ホントに昔からほとんど変わっていません。
音は比較的静かですが作りはかなりアナログです。庫内も少し狭く出来てます。
仕様
- 【メーカー】パナソニック (旧サンヨー)
- 【商 品 名】テーブル型冷蔵庫
- 【型 番】SUC-N1241J
- 【電 源】単相100V (50/60Hz)
- 【外形寸法】幅1200×奥行450×高さ800(mm)
- 【内形寸法】幅850×奥行350×高さ630(mm)
- 【有効内容積】174リットル
- 【内 装】ステンレス鋼板
- 【温度設定範囲】0～10℃
- 【消費電力】103/109W
- 【付属品】棚×2、底敷×2、棚受×8、排水ホース
- 【製品質量】52kg
定期的なフィルター清掃を
ご家庭でもキッチン内は多少歩きますしバタバタしますよね。その度にホコリは舞いますし、湿気や空気中の不純物で冷蔵庫のフィルターには微細なゴミが詰まります。
本来の機能を十分に活かすため、冷蔵庫の耐用年数を伸ばすためにも日々のフィルター清掃は必ず行いましょう。
冷蔵庫に限らず、厨房内（キッチン）は定期的なクリーニングが必要なものがあります。
それが、「エアコン」や「レンジフード」です。
どちらも日々の掃除は必要ですが、取りきれない油汚れや内部へ侵入したニオイの元や微細な菌などまでは取りのぞけません。
フィルター清掃だけではまかないきれない、プロによる、本格的な清掃も定期的に行うようにしましょう！
エアコン・レンジフードクリーニングは定期的に！
まとめ
縦型はお値段かなりしますが、コールドテーブルなら何とか手が出る金額です。実際知人（新築）でも業務用入れたお宅があったんです。こういう無機質なステンレスがカッコイイ！と言う人もかなりいるんじゃないでしょうか。
それとあわせて飲食店開業予定の方の参考になれば幸いです。
以上。
コールドテーブルでおしゃれ感出すのもいいと思うけどなにか？
