クラウドSIM、使ってますか。
クラウドSIM(Wi-Fi)は、仮想空間にあるクラウドSIMを経由して通信を行うため、従来のモバイルルーターのような一社のみの縛りなしで、現地エリアに合わせて受信してくれる技術です。
今回は、「WiFi東京レンタルショップ」や「クラウドWiFi東京」を運営元、『株式会社ニッチカンパニー』が提供する「クラウドWiFi(端末:U3)」の端末やサービスのレビューをしていきます。
Contents
クラウドWiFi(端末:U3) インプレッション
コワーキングスペースや喫茶店、車中など、場所を選ばず働くノマドワーカーも多くなりました。
街中でも無料Wi-Fiスポットが各所に配備されており、通信速度やセキュリティ面に対しての許容はある程度必要ですが、ちょっと仕事をする程度なら大概フリーWi-Fiで事足ります。
とはいえ、長時間快適に利用するとなれば、やはりモバイルルーターやデザリングは必須。
デザリングも便利ですが、長時間使用となると通信制限が気になりますよね。
そこで役立つのが、ポケットWi-Fiこと、モバイルルーターです。
ポケットWi-Fi(モバイルルーター)が誕生してから早10数年。年々進化を遂げ、昨今のトレンドは、冒頭に挙げた、次世代の通信技術ことクラウドWiFiです。
クラウドWiFiの場合、国内では3キャリア(au、ドコモ、ソフトバンク)のいずれかの回線を使いますが、クラウドサーバー上に世界中のSIM情報を保管しているため、現地のSIM情報にも適応し、世界中どこでも利用できます。
前置きが長くなりましたが、『株式会社ニッチカンパニー』の「クラウドWiFi」は、国内でも人気の高いGlocalMe(uCloudlink※香港)ことGlocalnetが扱う「U2s」とセットになった、以前からあるサービスです。
特徴は、
利用制限なく月間100GB利用可能
世界134か国対応
最大10台までの同時接続
申し込み後最短即日発送
金額やサービス自体は以前とほとんど同じなので、新パッケージングのサービスとは言い難いですが、若干の価格改定、そして端末が新しくなったことで接続台数は以前の倍となっています。
つまり、「U2s」と別シリーズモデルの「U3」が加わり、「U2s」に代わって、今後はこちらが主軸になっていくのではないかと思います。
簡易比較ですが、異なる部分を主に抜粋しています。※2021/5/6現在、同社スペック表から抜粋。
U2s | U3 | |
月額料金 | 3,718円(税込) | 3,718円(税込) |
初期費用 | 4,378円(税込) | 3,300円(税込) |
契約期間 | 縛りなし | 縛りなし |
違約金 | 無し | 無し |
最大接続台数 | 5台 | 10台 |
対応バンド | 1/2/3/4/5/7/8/9/12/13/ 17/18/19/20/26/28 | 1/2/3/4/5/7/8/9/12/13/ 17/18/19/20/25/26/28/66 |
充電ポート | Micro USB | USB Type-C |
バッテリー容量 | 3500mAh | 3000mAh |
CPU | Qualcomm Snapdragon 210 | QUALCOMM QM215 |
サイズ | 127 x 65.7 x 14.2 mm | 126 x 66 x 10mm |
重量 | 149g | 125g |
契約期間の縛り、通信制限、解約時の違約金はもちろんなく、下り速度最大150Mbps、上り速度最大50Mbpsといった回線スピードについてもそのままです。
しかしながら、バッテリー容量が減ったにもかかわらず、連続使用時間約12時間は健在。その分端末自体が軽量化され、Type-Cを採用するなど使い勝手は良くなっています。
現状クラウドWi-Fi(SIM)を扱う同業他社は多数ありますが、価格面や通信速度、容量全てにおいて、ニッチカンパニー提供のクラウドWiFiは、充分メリットがあると言えます。
これからクラウドWiFiを検討するなら「U3」がオススメです。
※上記リンクはニッチカンパニーの「クラウドWiFi」ではありません。下記リンクが公式です。
スペック紹介
U3(クラウドWiFi) | |
ブランド | GlocalMe |
---|---|
モデル | GLMU19A02 |
カラー | ブラック |
LTE FDD | バンド1/2/3/4/5/7/8/9/12/13/17/ 18/19/20/25/26/28/66 |
LTE TDD | 34/38/39/40/41(194M) |
WCDMA | 1/2/4/5/6/8/9/19 |
GSM | 850/900/1800/1900 |
上り最大速度 | 50Mbps |
下り最大速度 | 150Mbps |
Wi-Fi | IEEE802.11b/g/n |
USBポート | Type-C (入力) |
バッテリー容量 | 3000mAh |
入力電力 | DC 5V 2A |
サイズ | 126*66*10mm |
重量 | 125g |
※取説・ショップページ・公式サイト・製品仕様から抜粋
製品の特徴・概要
サービスについては前章でお伝えした通りですが、製品についてももう少し見ていきます。
GlocalMe公式によれば、
- 140か国以上に対応
- 4G LTE対応
- SIMフリー
- 13時間長時間バッテリー
- フリーローミング
などを特徴に挙げています。
残念ながら本端末は5G非対応ですが、10台まで接続できるメリットを生かせば、ラップトップ、携帯電話、タブレットなどの複数台接続や、ビジネスシーンや仲間内でシェアするなど幅広い使い方ができます。
回線速度に関しては決して爆速ではないものの、3キャリアの電波さえ届けば普通にWi-Fi環境が整います。
個人的にはインフラの整った都市部より、アウトドアや田舎の方が活躍の場があるような気がします。
スマホの通信料を抑えてノマドワークしたいなら、選択肢のひとつにいかがでしょうか。
※上記リンクはニッチカンパニーの「クラウドWiFi」ではありません。下記リンクが公式です。
- 海岸、山間部どこでも利用可能
- 動画視聴などエンタメ利用に充分な速度
- 複数台接続も比較的安定
- ソフトバンク回線に繋がりがち
- 3Gをたまに拾う
クラウドWiFi(端末:U3) 実機レビュー・評価・感想
発注してから翌々日ぐらいでヤマト便にて商品到着。
地域によって配送期間や配送業者は異なると思いますが、注文後のフットワークは早い印象です。
化粧箱・パッケージ
外側の段ボール内にはクッションになるような緩衝材は入っていませんでしたが、製品の化粧箱ごとフィルムでガッチリ固定してくれています。
サンクスカード(フライヤー)や利用にあたっての注意書きも同梱。
公式にも記載されていますが、オプションプランも設けられているので記載しておきます。
フルプラン
- 550円/月
- 故障・水没・紛失・盗難すべて0円
ライトプラン
- 275円/月
- 故障・水没は0円
- 紛失・盗難は16,500円のユーザー負担
※端末補償未加入時はいずれの場合も端末代金27,500円がユーザー負担です
化粧箱はクラウドWiFiオリジナルではなく、AIR-Uのものをそのまま流用しているようです。
シンプルな箱にシルバーで"CLOUD AIR Wi-Fi"と記載されています。
裏面もいたってシンプル。
一応念のため技適を確認したところ、株式会社AIR-Uにて令和2年3月に適合証明を受けています。
【パッケージ内容】
-
- U3本体 *1
- Type-Cケーブル * 各1(全10種)
- SIMピン * 1
- 取扱説明書、注意書き、サンクスカード * 各1
マニュアルは日本語と英語のバイリンガル仕様です。
下記からも同一のものを確認できます。※香港uCloudlinkネットワーク技術有限公司版です
筐体・デザイン
本来はホワイトも存在しますが、クラウドWiFi取り扱い端末はブラックのみ。
樹脂筐体となっており、5,000~10,000mAh薄型モバイルバッテリーのようなサイズ・重量感で、携帯性はよさそうです。
先の画像でもわかると思いますが、上面に通信状況やバッテリー状況確認用にLEDインジケーターランプ、側面に物理ボタン(電源ボタン・リセットボタン)、SIMスロット。
そしてUSBポートが配置されたシンプルな設計です。
U2sも人気でしたが、Micro USBなこと、加えて標準SIM・microSIM対応というのは、やや時代遅れ感が否めません。
U3はバッチリType-Cに刷新されています。
とはいえ、ディスプレイは搭載していないシンプル設計のため、データ使用量が把握できない筐体は変わらず。
因みにU3のSIMスロットは、スロット数が減ってしまったものの、当然nanoSIMです。
背面には仕様や各種認証、シールにてパスワードなどが記載されています。
重量は公称通りピッタリ125gです。
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クラウドWiFi(端末:U3) 使用感
では本章より、実際に使っていきます。
モバイルルーターはとにもかくにも、
- 月額(価格設定)
- 容量
- 通信速度
この3つが重要ですからね。
月額3,718円という価格設定、100GBまで使い放題、これらについては納得。業界の中でも頑張ってくれています。※2021年5月現在
本章では3について詳しく見ていきます。
電源を入れればすぐにつながる
実はクラウドWi-Fiを試すのが初めてだったので、どんなものかと思いましたが、通常のモバイルルーターと同様、本体の電源を入れた後、Wi-Fiを検索、パスワード入力でWi-Fi環境がすぐに整います。
起動から接続までおおよそ20秒~30秒程度。ストレスなく接続してくれます。
ネットサーフィンから動画視聴、複数台でも問題なし
使用環境は、スマホ、タブレット、ノートPCを接続。ひとつの場所ではなく、様々な場所・時間でテストしています。
上記画像は同日同時刻に都市部から少し離れた住宅地にて、初回テストをしたときの回線速度です。
そして同時にPCでも計測。
下りが15Mbps~20Mbpsで、ソコソコ快適にネットサーフィンできます。
左図は別日に山間部にて計測、そして右図はまた別日の沿岸部となります。
田舎の山間部では下り29.1Mbps、沿岸部では16.3Mbpsと、アウトドアでガンガン使いたい著者にとっては大満足の数値です。
計測ではソフトバンク以外拾わなかったものの、都市部でも10~20Mbps前後は出てくれています。
平均して15~25Mbpsといったところなので、常に4Kなどの高画質を求めなければ、快適なWi-Fi環境が整います。
気になった点・注意したほうがいい点
回線スピードは比較的満足のいく結果でしたが、それでもクラウドWi-Fiの特性上、多少注意点があります。
本サービスに限らず、クラウドWi-Fiといえど、
最適な回線を拾わないと不安定で低速になる
ことがあります。
画像をご覧いただけばわかるように、3G回線を拾ってしまい、かなり低速です。接続端末からは”低速のためモバイルネットワークを使用します”との案内が出る始末。
あくまでも著者の所感ですが、回線が混雑している都市部の方が低速率は顕著で、こういった状況になりやすい印象を受けます(現に田舎では一回もありませんでした)。
解決策は、再起動かもしくは移動。
5Gではなくても、4G LTEでさえも60Mbps出たりもするので、場所や時間でうまく使い分けするのがよさそうです。
また、完全無制限を謡っていた某クラウドWiFiサービスで、通信障害並びに回線休止、ひいては新規受付停止となる事件も発生しています。
ユーザーからすれば、満足に使えさえすればいいだけのことですが、通信業界は大手3キャリアの電波を間借りしているに過ぎません。
また、クラウドSIM(クラウドバンク)といえどキャパはあります。
クラウドSIMでは考えづらいですが、御上がへそを曲げれば何の説明もなく突然ギガ制限がかかる可能性はゼロではありません(業界全体で)。
クラウドWiFiには、数多ある通信サービスから生き残るためにも、うまい立ち回りを期待します。
そして最後にもう一点。これは製品(機械)や使用上に全く関係のないことです。
どちらかというと要望ですので、ご興味のある方はご覧ください。
上記画像の通り、化粧箱並びに製品筐体部分に記載されている製造販売元は、AIR-Uとなっています。
記載住所を調べると現在は賃貸、AIR-Uの本拠地は移転しています。赤坂→赤坂→西新橋→広尾
代理店であるクラウドWiFi(ニッチカンパニー)にはどうしようもないことかもしれませんが、ユーザーには販売代理店であること認知してもらう必要があると思います。
同梱のフライヤー類にも、クラウドWiFi(ニッチカンパニー)の詳細情報の記載はなし。メールアドレスですら記載がありません。
単純にこういった古い情報がそのまま、というのはいたたけないですし、契約先の問い合わせ先がない時点でサポート体制に不安を覚えます。
もちろん、環境に配慮して紙媒体を減らしているとも考えられますが、販売元、製造元が記載されたオリジナルの化粧箱はせめて作ってほしいです。
アフターサポート含め、故障した際契約時のメールがわからなくなれば、ここに問い合わせるしかありません。サポートはAIR-Uに丸投げとはさすがにいかないはずです。
ニッチカンパニー クラウドWiFi(U3) 総合評価
現代人にとって、通信はもはや生活の一部。
周知の通り、第4のキャリアの登場、それに伴う3キャリアの新プラン(価格改定)、MVNOの拡充、モバイルルーターなどの付加サービス、さらには5G端末も普及し始め、通信業界はより良いサービスを提供すべく、各社しのぎを削っています。
クラウドWi-Fiなら、利用場所にかかわらず、自動で最適な電波を拾い、物理的なSIMなしで利用できます。
このご時世、人気(ひとけ)のないところで黙々と仕事をしたいなんてニーズもあるハズ。
ニッチカンパニーのクラウドWiFi(U3)は、拠点を絞らず移動の多いノマドワーカーにおすすめです。
※上記リンクはニッチカンパニーの「クラウドWiFi」ではありません。下記リンクが公式です。
【総合評価】 | |
製品名 | クラウドWiFi(U3) |
総合おすすめ度 | 4.0 |