※メーカーよりサンプル提供
大陸製イヤホン、本気で侮れません。
今回レビューするのは、「TRN VX」という『Dongguan Zuodu Acoustic Technology Co., Ltd.(东莞市佐度声学科技有限公司)」の、ハイエンド7ドライバハイブリッドイヤホンです。
素人耳ながら、音楽好き、ガジェット好きの著者が、いくつか聞き比べてみたところ、「TRN VX」は最近扱った中では断トツの高音質です。
にもかかわらず、大手ECサイトの市場価格は約9,000円前後とお手頃。隠れファンの多いTRNブランドですが、ファンも納得のクオリティ、「TRN VX」」をレビューしていきます。
Contents
TRN VX 7ドライバーハイブリッドイヤホン インプレッション
当サイトでは、廉価モデルが多いものの、これまで数々のイヤホンを紹介し、そのクオリティの高さに、毎度驚かされています。
元々侮っていたわけではありませんが、今回もそのクオリティの高さに驚きを隠せません。
IEM(Custom In Ear Monitor:カスタム・イン・イヤー・モニター)こと、通称イヤモニといえば、高解像度・高遮音性を追求したモニター用のイヤホンですが、正直言ってアホほど高い。
「TRN VX」」は、
安く手軽に高音質なハイブリッドイヤホンを試したい
こんなニーズに合ったイヤホンです。
HiFiGoTRN VX 1DD 6BA Metal Hybrid Units HIFI Earbuds In Ear Monitor IEMs
スペック紹介
TRN VX 1DD+6BA Hybrid Driver 10mm Dual-magnet DD HiFi In-ear Earphones | |
ブランド | TRN |
モデル | VX |
カラー | ブラック/グリーン/(ブルー) |
ジャックタイプ | 3.5mm |
コネクタタイプ | 0.75mm2pin |
感度 | 107dB |
周波数帯域 | 7Hz-40000Hz |
インピーダンス | 22Ω |
ケーブル長 | 1.25m ±5cm |
重量 | 28g |
※取説・ショップページ・公式サイト・製品仕様から抜粋
製品の特徴・概要
「TRN VX」は、カスタムされた30095高周波バランスドアーマチュアに、高性能デュアルネオジムマグネットダイナミックドライバー、10mmのデュアルマグネットダイナミックドライバーを採用した、全音域自然で奥行きのあるサウンドを愉しめるイヤホンです。
大まかな特徴は、下記の通りです。
【TRN VXの概要・特徴】
- 6BA + 1DDハイブリッドドライバーイヤホン
- コストを惜しまず微調整を繰り返し行い音の再現性を高めたプロ仕様チューニング
- マグネシウム合金ハウジング内に設計された独自のアクティブクロスオーバー回路
- 人間工学に基づいた装着感と疲労感の少ないイヤーフック
- 装着時の安定性を確保した改良型Type-Cコネクタ対応0.75mm金メッキ2PINケーブル
CNC加工金属製ハウジング
CNC加工による、マグネシウム合金製のシェル型ハウジングデザインもさることながら、この小さな筐体の中に、低音域用の10mm二重磁気ダイナミックドライバー、高音域をカバーする「30095」BAを2基、そして中音域の「50060」BA2基を組み合わせ、さらに「30095」と「50060」を1基ずつ組み合わせることで中高音域の臨場感を高めています。
残念なことに、ショップページは中華デバイス感丸出しのおかしな日本語のオンパレードですが、TRNは、一部マニアの中でかねてより人気のあるブランドで、イヤホンとしてのトータルバランスだけでなく、そのコスパ力が魅力です。
1DD+1BAハイブリッド型低価格モデルの「TRN-IM2」や、バランスに定評のあった前モデル、4BA+1DDハイブリッド構成の「TRN V90」、低価格マルチ5BA構成の「TRN BA5」など、好みに応じて選べるラインナップが充実しています。
「TRN VX」の"X"は、9の次の10(テン)の意味がありそうなので、TRNブランドの中ではV90の上位互換、フラッグシップモデルの位置づけとなります。
カラーはブラックとグリーンの2色展開、リケーブルも当然あり、AliExpressなら7,000円~、Amazonでも9,000円前後と、そこまで大きな価格差もなくコスパに優れています。
国内流通ブランドでいえば、1万5千円前後払わないと味わえないような上質サウンドが、この価格で体験できます。
7基構成の明瞭で奥行深い臨場感のあるサウンドを、ぜひ体験してみてください。
HiFiGoTRN VX 1DD 6BA Metal Hybrid Units HIFI Earbuds In Ear Monitor IEMs
- 7ドライバー搭載ハイブリッドイヤホン
- クセの少ないバランスの取れたチューニング
- 圧倒的コストパフォーマンス力
- 低音はややスッキリ目
- 遮音性はごく普通
TRN VX 1DD+6BA ハイブリッドイヤホン 実機レビュー・評価・感想
冒頭にも言いましたが、著者は音沼に入り込むほどではないものの、無線有線問わずそれなりに廉価中華イヤホン(ヘッドフォン含む)を試しています。
その経験上、5,000円前後のモデルと比べても「TRN VX」は、確実に一線を画しています。
ここのところ安物を聴き比べていたせいもありますが、聴いた瞬間から、
と思わず声が出てしまいました。
いきなりべた褒めとなっていますが、早速レビューしていきます。
化粧箱・パッケージ
過去モデル同様、化粧箱はシンプルなデザインで一貫しています。
中華イヤホンなので当然のことながら、中国語と英語が記載されています。
筒形の外装の中に、筐体をかたどったクッション性のあるスポンジにガッチリフィットしています。
多少の衝撃や横揺れにはびくともしません。
【パッケージ内容】
- TRN-VX × 1
- 3.5mmプラグ付き2ピンケーブル× 1
- イヤーピースS,M,L × 各1セット
- 製品合格証 × 1
- 保証書 × 1
- ユーザーマニュアル × 1
付属品の比較的多い中国製にも関わらす、必要最低限のパッケージ内容となっています。
本体に惜しみなくコストをかけている所以といえそうです。
化粧箱同様マニュアルは、英語と中国のバイリンガルです。
筐体・デザイン
金属製の筐体で目立った作りの雑さはなく、マットな梨地のような質感です。内側にL/Rのプリントが小さくされています。
オールメタル筐体ということもあり、樹脂筐体と比べれば重さを感じますが、この小さなシェルに7基ものドライバーが組み込まれているのはただただ驚愕です。
左右どちらにも"VX-DD1x1 BAx6"と刻印があり、7基のドライバを搭載していることを印象付けています。
コネクタには、ライバルブランドの「KZ」と同じKZ Type-Cコネクタを採用。
カスタムIEMらしく、かつてのUE2pin、QDCタイプのリケーブルとも互換性があります。
マイク付きケーブルもありますが、今回は黒い編み込みタイプです。
ケーブルは、シュア掛け用に軽く形状記憶されており、3.5mmエンドプラグやコネクタ接続部は金メッキ処理が施されています。
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TRN VX 1DD+6BA ハイブリッドイヤホン 使用感レビュー
著者は今回が初のTRN製品ですが、過去レビューを見る限り、昔はハズレ商品も多少はあったようです。
しかしながら現在は、「V80」や「V90」といった過去モデルを含めた完成度の高さから、『CCA』や『KZ』といった競合他社とも一味違った個性を持つ、中価格帯ブランドとして確立しています。
今回の「VX」は、TRNブランドの中でもフラッグシップモデルなだけに、使用時の期待が高まります。
良好な装着感と疲労感を感じさせない筐体デザイン
前述の通り、リケーブル可能な本製品。
付属ケーブルは、QDC製カスタムIEMで採用されている規格の、0.75mm2pinコネクタに対応しています。
全面金属ハウジング、ノズルにドライバを組み込んでいるため太さがあったりと、装着時の疲労感を懸念していましたが、全くの杞憂でした。
ハウジングは耳の形に合わせた造形となっているためフィット感はかなり良好です。ノズルの長さも一般的で、抜け落ちたり圧迫感を感じることはありません。
因みに著者は、Mサイズが一番しっくりきます。
ケーブル自体も柔らかくしなやかで、癖付けされた透明なイヤーガイドと相まって、耳にいい具合に優しくかかる程度のつけ心地となります。
とはいえさらに上質なサウンドを追求するなら、カスタムするのもいいかもしれません。
クセが少ない明瞭なサウンドを愉しめるオールラウンドプレーヤー
「TRN VX」はIEMですが、今回は本体そのもので試したいので、リケーブルは使用せず音質をチェックしていきます。
音質における第一印象は、明るく明瞭なサウンドで、全音域の解像度とバランスがとれており、どんなジャンルの音楽も心地よく、クセがなく聴きやすいです。
低音はやや抑え目ですが、情報量は多いものの自然なチューニングで、多ドラを感じさせずはっきりとしていてキレを感じます。
重低音においてもパワフルなのにしつこさがなく、高解像度となっています。
ただ、音が重なると主張が弱く、著者を含め重低音好きにとってはややフラットで物足りなさを感じます。
次に中音域。周波数特性を見ると、中音域が少しだけ凹んでいるものの、中高域が強調されているので何の違和感も感じません。中低域に厚みがない分、男性ボーカルに明瞭さが欠けると思いきやそんなことはありません。
中高域がドライであっさり目なので、どちらかというと女性ボーカールの方がボリュームを上げれば上げるほど耳につんざくような印象を受けます。
とはいえ、男女ともに気になるような歯擦もなく、ボーカルの距離は近めで息遣いまでしっかり感じられます。
聴くジャンルによってなので、このあたりのバランスを調整したければリケーブル等で対応するのがいいかもしれませんね。
そして高音域は前述の通り、ややドライですがシャリ感は程よく抑えられ、華やかで自然な印象を受けます。特に金属系の打楽器(ハイハットやシンバルといった)の音は煌びやかです。
全体的に上手くまとまっていて音場は広く、高音から中高音域がやや強めで低音域控えめの、フラットに近い仕上がりです。
「TRN VX」は密閉性・遮音性もソコソコ高く、装着感も良好なので、その相乗効果で長時間視聴も全く苦にならないオールラウンドプレーヤーという印象です。
※確認!
音質はデバイスの搭載チップや使用している音楽ソフトなど、環境、端末によって全く異なります。また、デバイスとの相性や聴くジャンル、聴き手の好みにも左右されます。
当サイトでは、複数の端末でチェックしていますが、エージングまではしていません。箱出し10~時間程度の視聴ですので、あらかじめご了承ください。(しばらく使って変化があれば追記します!)
気になった点・注意したほうがいい点
コスト面もクオリティも満足度は高いです。
そのため、製品に対する不満は正直ありません。
1点あげるとすれば、
- 中華臭が強すぎる
これに尽きます。
というのも、そもそもがカスタムIEMは音楽マニア向け。現在もなお、中国製は壊れやすいとか劣悪品が多いなどと思い込んでいる人も少なくありません。
「TRN VX」は、ショップページも中華臭丸出し、翻訳もズタズタ、怪しすぎて一般層がとても手を出せません(サクラレビューしていないのは好印象)。
ここ数年、中華商材のクオリティが目まぐるしく向上しています。著者は、中華商材の宝物探し感が大好きで、かつ人が使っていないものを使いながらニマニマと優越感に浸りたいので、むしろ大歓迎ですが、著者の周りでもアンチ中華製の壁は思いのほか高いです。
少なくともショップページは翻訳ではなく、日本人に作ってもらった方がいいと思います。
TRN VX 1DD+6BA ハイブリッドイヤホン 総合評価
カスタムIEMは、ケーブルやイヤーピースを変えるだけでも、少しもの足りない情報を補いつつより上質サウンドを追求することができます。
ですが「TRN VX」は、筆者はアタリ筐体だったのか、箱だしそのままでも充分上質なサウンドでした。
重低音好きにはやや物足りなさは感じるものの、それぞれの音域の解像度が高く明瞭で、音場表現は豊かで、音像も感じられます。全音域刺さり過ぎたり、強調しすぎたりといったことのないバランスの取れたチューニングを施してくれています。
昨今はTWSなどの無線イヤホンの方が主流で人気もありますが、中華製なら国内メーカーの半額以下(下手すると1/5位)で同クオリティか、それ以上のものが手に入ります。
自身も昔は国内メーカーのフラッグシップIEMイヤホンを所持していましたが、今回大陸性モデルの技術の向上と価格に触れて改めて驚きかされました。
CCAやKZ含め、5千円~1万円前後でこのクオリティのサウンドを出せるなら、国内メーカーはたまったものじゃないですね。今後は中華一択といっても過言ではないかもしれません。
「TRN VX」、筆者的にガチでおすすめのイヤホンです。
HiFiGoTRN VX 1DD 6BA Metal Hybrid Units HIFI Earbuds In Ear Monitor IEMs
【総合評価】 | |
製品名 | TRN VX 1DD+6BA Hybrid Driver 10mm Dual-magnet DD HiFi In-ear Earphones |
総合おすすめ度 | 4.9 |
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