※OneOdio様からサンプル提供
オーディオ関連も、かつてはある程度こだわりながらも、生活環境の変容と共に、こもって音楽を聴く機会が激減した、という人も多いのではないでしょうか。
現在はスマート家電化の時代。著者も例にもれず、もはやカジュアルに使える(安)物で十分派です。
「コスパ抜群!5,000円以下!」などと煽る気は毛頭ありませんが、とりわけヘッドホンやイヤホンなど、この価格帯でも充分いい仕事をする製品は多数あります。
今回は、Amazonでベストセラーを持つ「OneOdio」というブランドの、『DJ モニターヘッドホン Pro-10』のレビューをしていきます。
Contents
OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10(pro2) インプレッション
今回レビューする「OneOdio」社は、電話番号から察するに香港に拠点を置くブランドです。ただ、公式サイト並びにFacebook等を見ても、記載がないため、実際は不明。
下記リンク先他、いくつか確認してみるも、著者の情報収集能力では企業の情報はわかりませんでした。
ヘッドホン市場も中華企業を筆頭に低価格路線のブランドを散見しますが、公式によれば、DJ用、モニター用などの高価になりがちなヘッドホンを、お手頃価格で提供できないかということで生まれたヘッドホンブランドとのことです。
また、10年以上の歴史(※経験と言っているだけなので設立ではないかも?)と、アジア、北米、ヨーロッパなど30か国以上に販路を持ち、今回の「Pro-10」はベストセラー商品にもなっています。
レビューを見る限り賛否あるものの、「OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10」は、
安く高音質で“日常の”音楽を聴きたい
有線接続のヘッドホンを探している
オーディオ機器にそこまでこだわりがない
こんな人にはマッチする商品です。
スペック紹介
OneOdio Studio DJ Headphones Pro-10 | |
ブランド | OneOdio |
モデル | Pro-10 |
カラー | Black |
型式 | ダイナミック密閉型(ワイヤード) |
音質 | ダイナミックベース |
シェアポートファンクション | デイジーチェーン |
イヤーマフ | プレミアムイヤークッション |
スイーベル | 90°両方向 |
マイク | インライン |
周波数帯域 | 20Hz〜20KHz |
ドライバー口径 | φ50mm |
プラグタイプ | 6.35mm to 3.5mmコイルケーブル / 3.5mm to 3.5mmマイク付きケーブル |
インピーダンス | 32Ω |
感度 | 110dB+/-3dB |
遮音フィルム | PET |
最大出力 | 30mW |
最大入力 | 1600mW |
ケーブル長 | 2~3m/1.2m |
重量 | 236g※ケーブル除く |
※公式・ショップページ・取説から抜粋
製品の特徴・概要
ネオジムマグネットを採用した50mm径ドライバーを搭載し、フラットで広帯域な音質で様々な用途に使える汎用性の高いヘッドホンです。
また、ヘッドホン両側に、6.3mmと3.5mmジャックを搭載。プラグ変換の必要がないだけでなく、シェアポート技術を採用しているので、1台のデバイスで複数のヘッドフォンへのデイジーチェーン接続が可能です。
- φ6.35mm to 3.5mmのコイルケーブル
- φ3.5mm to 3.5mmマイク付きケーブル
がそれぞれ付属してるウキ!
DJモニターヘッドホンの名の通り、前後90°・上下180°可動式によるDJ用ヘッドホンとして、加えて、フラットな音質と音漏れを抑えたオーバーイヤー密閉型の特性を活かし、モニターヘッドホンとしての活用も可能です。
高密度の形状記憶フォームを備えたフィット感のいい合皮イヤーパッド、人間工学に基づいた圧迫感の少ないヘッドバンド、保温性と通気性にも配慮された設計で、装着感にもこだわっています。
そして、コンパクトに折りたためるだけでなく、専用ポーチも付属。
携帯性にも優れた、動画視聴などの日常用、音楽や映画鑑賞、DJ、楽曲制作、ミックス、モニタリングといった幅広い使い方が可能なヘッドホンです。
※Amazon(公式ショップ)が最安
- お手頃価格多目的型マルチヘッドホン
- シェア&変換プラグ不要のインターフェース
- フィット感と携帯性にも配慮された設計
- かなり軽量でプラスチッキー
- 音楽視聴に問題はないもののやや誇大広告気味
OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10(pro2) 実機レビュー・評価・感想
まず「OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10」は、中華セラーに多い“バカ長い謎タイトル(商品名)”ではない時点で好感が持てます。
ただ、なぜかショップページに『pro2』と表記されています。
理由はわかりませんが、パッケージにも型式は『Pro-10』と記載されていたので、今回の商品は紛れもなく『Pro-10』。
ベストセラー商品とのことなので、どこまでホンモノか期待しつつ、素人耳なりに深堀りしていきます。
化粧箱・パッケージ
パッケージは黒ベースの洗練された高級感漂うデザイン。変に日本語表記を施したなんちゃって日本向け、というわけではなく世界共通のパッケージのようです。
背面の仕様説明なども、全て英語で記載されています。
【パッケージ内容】
- Pro-10 OneOdio Studio DJ Headphones × 1
- キャリーバッグ × 1
- φ6.35mm to 3.5mmのコイルケーブル × 1
- φ3.5mm to 3.5mmマイク付きケーブル × 1
- 保証書 × 1
- 取扱説明書 × 1
因みにポーチ(キャリーバッグ)は、合皮素材で内ポケとかはない普通の巾着ウキ!
ユーザーマニュアルは英・独・日・仏のマルチリンガル対応。不自然さのない日本語マニュアル付きです。
筐体・デザイン
Pro-10(pro2)本体
まず手に持った第一印象は、「軽っ!(大丈夫かしら…)」と思わず言ってしまいました。
筐体は、ほぼ金属は使われておらず、樹脂素材メインで、かなりプラスチッキー。
ですが細部まで雑な作りはなく、ハウジングにはブランドロゴと円状の装飾が施されており、さほど安っぽさは感じません。
また、同じくハウジングのシルバーの部分は金属ではなく光沢のある樹脂メッキとなっています。
ヘッドバンドは合皮素材で『OneOdio』のロゴに加え、赤ステッチがあしらわれていてオシャレに仕上げています。
直接頭に触れるバンドの内側にはクッションが施されているため、装着時の圧迫感や疲労感を軽減してくれる設計となっています。
スライダーには金属が使われているので、程よい締め付け感を与えてくれるとともに、耐久性も期待できそうです。
左のハウジングにφ6.5㎜フォーン(6.3mm標準)ジャックを配置。内側に金メッキが施されています。
そして右側に、φ3.5㎜ステレオミニジャック。
ユーザー次第ですが、フォーン(ステレオ標準)プラグとステレオミニプラグ、どちらにも対応(ケーブルも同梱)しているのは大きなメリットと言えますね。
ケーブル
付属のコイルケーブルの端子はどちらも3極で、金メッキ仕様。耐久性も問題なさそうです。
国内ではどちらかというと6.3mmをフォーンプラグとかステレオ標準プラグとか言ったりするウキ!
因みに公式によると、コイルケーブルの全長は、2~3m(9.8ft)となっていますが、コイルの形状記憶部分が伸び切らないので、最長でも2.8mぐらいまでと思っておいた方がいいです。
マイク付きケーブルも同じく金メッキ仕様となっており、マイク寄り(ヘッドホン用)が3極、デバイス側が4極となっています。
コチラのケーブルについているマイクは、単一指向ではなく無指向性。ファンクションボタンひとつのリモコンでシンプルな作りです。
OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10 使用感レビュー
では、本章からやや辛口も含めたレビューをしていきます。
質感はややチープながら便利に使える万能ヘッドフォン
先に少し触れた通り、ヘッドホン自体の質感はチープ。重量も軽すぎるぐらいで、やや不安感すらありますが、細部までしっかりと作りこまれており、トータルしてこの価格なら充分満足できると思います。
また、本製品は有線タイプのヘッドホンなので、当然初期設定等不要で使えます。どちらか一方のジャックから、デバイスの端子形状に合わせてプラグを差し込むだけながら、プラグ選択に迷ったり、わざわざケーブルを追加購入する必要がないのは嬉しいですね。
そしてなんといっても、どちらのジャックも入力端子となっているため、
- 音楽を聴きながら楽器を演奏できる
- 音楽シェアできる
この2点は個人的に面白いと思います。
片側を音楽再生、もう片側を楽器につなぐなどすれば、楽器練習(ミキシング)にはかなり便利に使えます。
ちなみに、両端子共に何度も抜き差ししてますが、今のところ問題なし。早めに不具合が出るようなら追記します(追記されていなければ普通に使えているとお察しくださいw)
きつ過ぎず緩すぎず疲れにくい装着感
装着時のサイズ感は上記の通り。イヤーパッドのクッション性もほどよく、スライダーによる調節も可能なので、装着時のフィット感も悪くありません。
もちろん顔のサイズや製品にもよりますが、同価格帯のヘッドフォンはどちらかというときつ過ぎるイメージがあったものの、本製品は長時間でも疲れにくいです。
本記事を執筆するにあたり、(他の作業もしつつですが)8時間ぐらいパソコンの前に座り、ほぼぶっ続けで装着しながら作業しても、圧迫感はさほど感じていません。
また、軽量設計なのは、長時間視聴向きというメリットにもなりますね。
イヤーカップはすっぽりと耳を覆ってくれる大口径。密閉性も高く没入感は得られるものの、音漏れは多少します。ノイズキャンセル機能はありません。
静かな場所だと何を視聴しているかわかってしまうレベルなので、少し注意が必要かもしれません。
クリアでクセの少ない広域な音質
本当はもう少し粗探ししようと思ったんですが、著者のバカ耳には全く問題なくクリアで広帯域な音質に感じます。
この価格でこの音質なら、普通にオススメ。買いです。
ほんの少しボヤっとはしているものの、高音・中音・低音それぞれ再現されていて、5,000円以下のモデルでは充分満足感を得られると思います。
さらにクリアではっきりした音質になればなお最高ですが、ハモリはもちろん、シンセやハイハット、ベース音もわりかし聞こえてくるので、個人的にはかなり高評価なヘッドホンとなります。
著者はDJ(といってもジャマイカンスカなどオールディーズのセレクター)をほんの少しかじったことがある程度で、音楽のプロではありません。
ですがDJ用に使えるか?と聞かれたら、使えなくはないといった感じです。
前後90°・上下180°回転式イヤーカップ、インピーダンスや音圧感度は充分ですが、入力値も1600mWとそこまで高くはないですし、何より堅牢性への不安があります。
また、モニターヘッドホンとして利用するのも同じような感想です。
再生周波数は、20Hz〜20KHzと一般的で、少しぼんやりしているように感じます。
とはいえ、50mmの大型ドライバーの恩恵か、ドンシャリ感も比較的なく、主にリスニング用(観賞用)には最適なヘッドホンです。
※2020/5/9追記
ゲーム(FPS)をしながら装着していたところ、なぜかめちゃくちゃ酔いました。
著者は元々酔いやすいタイプなので、単に体調がわるかっただけの可能性が非常に高いですが、レビュアーの中にも同じ感想を抱いている方がいたので、もしかしたら音質に起因するものかもしれません。
ただ、動画観賞や音楽鑑賞では全くそんなことはないので、杞憂であることを願います。
※確認!
音質はデバイスの搭載チップや使用している音楽ソフトなど、環境、端末によって全く異なります。また、デバイスとの相性や聴くジャンル、聴き手の好みにも左右されます。
当サイトでは、複数の端末でチェックしていますが、エージングまではしていません。70~80時間程度の視聴ですので、あらかじめご了承ください。(しばらく使って変化があれば追記します!)
マイク感度は良好で通話は問題なし
付属のマイク付きケーブル使用時、通話時の音はこもることなくクリアで良好です。
ですが、コイルケーブルに比べて簡素で耐久性は期待できそうにありません。
また、マイクは無指向性のマイクなので、結構外部の音は拾います。このままゲーミングに使えなくはないですが、外部の音が気にならないボイスチャット程度の利用向きで、繊細な音を扱う作業には不向きといえそうです。
ガチ勢なら特に、マイクは別で用意した方がよさそうです。
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同価格帯のヘッドホンとの比較
年式は古いですが、手元にある同価格帯廉価ヘッドホンとも聴き比べしてみました。
比較は下記モデル(「Mi Headphones Comfort」、「MPOW H6」)となります。
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音質を比べてみると、「OneOdio Pro-10(pro2)」≧「Xiaomi Mi-AUHP01」>「MPOW H6」といった具合。
MPOW製は正直話にならないです(無線ですしね)。もしかしたら現行モデルなら比較対象になったかもしれません。
ですので、「OneOdio Pro-10(pro2)」と「Xiaomi Mi-AUHP01」で比較していきます。
好みにもよりますが、「OneOdio Pro-10(pro2)」と「Xiaomi Mi-AUHP01」はいい勝負で、甲乙つけがたく、聴き手によってはXiaomi製が好きという人もいるかもしれません。
もう少し踏み込むと、ハイレゾ対応のXiaomi製の方が、全体的な解像度は高い気がします。
それに比べ「OneOdio Pro-10(pro2)」は、わずかながらぼんやりしている印象。ボリュームを上げるとより顕著に感じられ、それを補うために低音を強くしている印象です。
ですが、イヤーカップのサイズか、ドライバー径のおかげかわかりませんが、「OneOdio Pro-10(pro2)」の方が、音量も大きく音の奥行きも感じられ、没入感は得られます。
個人的に低音がしっかり響く方が好みなのもあり、そういった意味で、今回の「OneOdio Pro-10(pro2)」の方がやや上質(Xiaomiは国内向け正規販売価格だとむしろ割高なので、コスパも含め一般利用向け)かなといった感想です。
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気になった点・注意したほうがいい点
いくつか不満点はあげてきましたが、加えてもう2点ほど気になった点をあげていきます。
- 回転式でフレキシブルなのがかえって邪魔
- 高評価が多くレビューは参考になりにくい
ではそれぞれ解説します。
回転式がかえって仇となりぐにゃぐにゃする
「OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10」は、“DJ モニター(英語名:Studio DJ Headphones)”となっている通り、DJ用(for DJ)としてリリースされています。
DJが片耳利用できるように、ハウジング部分が上下180°、アームが前後90°で可動する仕様です。
コンパクトに収納出来たり、フレキシブルに使えるのは確かにメリットですが、少しぐにゃぐにゃします。
場合によっては音漏れの原因となったりもするので、装着時はほんの少しだけ注意が必要です。
サクラ度は高めの商材
本製品に限ったことではなく、現在は、Amazon他、大手ショッピングサイトが無法地帯化しているので、必ずチェックツールにて調べています。
「OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10」も例にもれず、サクラ度の高い製品となっています。
一応念のため、海外のAmazonレビューも確認したところ、最初は満足、しばらく使ったら音が聞こえなくなった、耐久性に難ありというレビューを散見しました。
人が作ったモノである以上、初期不良含め故障は必ずあります。
ですがサクラレビューはさておき、ベストセラーになっているということは、逆に言うとそれだけ台数が出ている(故障の分母が多い)とも言えます。
(品質管理含めて、どれだけ不良品が出るか)その数が最も重要ですが、製品に満足していて高評価を付けているユーザーも多く、この価格ならむしろそこまで不満も言えないような気もします。
OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10(pro2) 総合評価
耐久性は気になるものの、(予想に反し)満足のできる製品です。
2年間の保証も付いているため、アフターもある程度安心して利用できます。
ショップページや公式は、多少不自然な日本語もありますが、(今回ご担当いただいた担当者含め)丁寧な対応です。
audio-technicaやSONY、Pioneer、ゼンハイザーといった、「モニター用ならコレ」、「DJ用ならコレ」、といった具合に名だたる名機と比べれば、当然のことながら全てにおいて劣ります。
ふわふわしすぎているとも言えなくはないものの、「OneOdio DJ モニターヘッドホン Pro-10」は、装着時の心地よさと疲れにくさに秀でていると思います。
その上、本格志向ではないながらも、モニタリング、ミキシング、DJ、鑑賞用など、多目的利用ができるのは価格以上の満足度です。
5,000円以下で、思考停止で音楽鑑賞したいなんて方にはオススメできるヘッドホンです。
※Amazon(公式ショップ)が最安
【総合評価】 | |
製品名 | OneOdio Studio DJ Headphones Pro-10 |
総合おすすめ度 | 4.6 |
廉価ヘッドホンは長期ではなく中短期利用と割り切る使い方がおすすめ
Amazonはじめ、楽天、Yahoo!など国内で流通しているガジェットの多くは、チャイナプロダクトが席巻しているのは周知の通り。
その恩恵にあずかりながらも、中華製品=粗悪品と決めつける人も、日本国内には少なくありません。
もちろん未だにひどいものもありますが、すべての製品がそうかといえばもちろん違います。当然、製品自体は素晴らしいものも多数あります。
チャイナプロダクトは価格がとにかくお手頃で、購入しやすいのがメリットです。
であれば、長期で利用することを考えず、
- 中短期利用と割り切ればフル活用可能
です。
売れれば何でもいいという、売り方(販売姿勢)にちょっとした嫌悪感を抱いている人が多いといった方が適当かも知れませんが、実際いい製品もたくさんあるのでご自身でぜひ発掘してみてくださいw
本製品もDJ用なんて言わずに、カジュアル用として販売すれば酷評もつきにくいのでは?と思った次第です。