以前新島キャンプ旅行に行って以来、すっかり“島”の魅力に取り憑かれています。
“何故もっと早く行かなかったのか”と後悔すらしています。
というのも著者は、日本全国津々浦々北は北海道から南は沖縄まで、ほとんどの地域に行ったことがあり、さらにいえばヨーロッパ、ならびに東南アジアなど、海外も放浪した経験があります。
大前提として、その地域ごとに素晴らしい魅力があるのはいうまでもありません。
ただ、それらを踏まえても、これほど手軽に、安く、美しい景観や自然が味わえる、東京都の“島”は魅力がいっぱいです。
もし、アウトドア好きにも関わらず、まだ行っていないというなら、全力でおすすめします。
今回は島へ行くのも2回目ということで、新島だけでなく式根島まで足を伸ばしてみました。
旅の主な目的は『釣り』。付加要素として『サーフィン』と『キャンプ』です。睡眠不足と悪天候や疲労の蓄積でかなり疲れましたが、最高でした!
今回も、かかった費用や、おすすめスポット、陥る可能性のある注意事項などを交えて新島&式根島観光を解説していきます!
注意!
本記事は備忘録も兼ねた日記帳のログです。数日を1記事にまとめた為、かなりのボリュームの記事となっています。目次をご活用いただき、ご興味のある見出しへジャンプするなりしてお楽しみください。
手っ取り早く内容を確認したい方は動画をチェック!
Day1 新島本村・若郷エリア
今回の旅も、私と友人、そして友人の子供の3人旅。初日と2日目(午前中)まで新島、そして2日目(午後)から3日目まで式根島というプランです。
新島は土地勘が付いていたこともあり、少し余裕を持った旅になる予定でしたが、悪天候やトラブルもあり、予想外の事態に見舞われました。
もちろん、事前にそれなりに計画を練っていたものの、改めて“旅にトラブルはつきもの”というのを思い知らされました。
結果いい旅となりましたが、本記事は、これから伊豆諸島旅行を計画している方の参考になれば幸いです。
というわけで、1日目は「新島本村・若郷エリア」で遊び尽くします!
新島は小さな島でもレンタカー必須
新島はそこまで大きくはない島なので、徒歩で完結もできなくはありません。とはいえ、釣り・サーフィン・キャンプを同時に敢行するとなれば、風向き等によってポイントを移動する必要があるため、間違いなく車は必須です。
タクシーや公共交通機関(無料巡回バス「ふれあいバス」)を利用する方法もありますし、下田初、神新汽船「フェリーあぜりあ」なら、自車(自家用車)を積み込むこともできます。
しかし、今回は式根島への移動も考慮し、レンタカー代の方が割安と判断しました。
特に、北側の若郷エリアに向かうには、徒歩・自転車が通行禁止となっている、全長約3km(2,878m)の「平成新島トンネル」を抜ける必要があるため、フットワーク良く動きたいならレンタカーがオススメです。
前回の教訓を生かし、今回は島に到着するやいなや、レンタカー屋に連絡。
島内にはいくつかレンタカー屋さんがありますが、今回も前回利用した「ナカダレンタカー」さんにて軽バンをオーダー。
利用者レビューは散々ですけど、コチラのレンタカー屋さん、港まで車を持って来てくれる上に乗り捨て(港返し)可能なので今後もおそらくリピートします。
ナカダレンタカー
あいにくの天候で計画変更
当初の予定は、下記の通り。
- テントを設営
- 車で釣り・サーフィンのためのポイントチェック
- 波が良ければそのまま入水・無理なら釣り
- スーパー・釣具屋等へ買い出し
- 湯の浜露天温泉
- 夕まづめ※魚の活性が良くなると言われている時間帯で釣り
- 夕食(BBQ)
- 就寝
多少前後することも考慮してましたが、まずは前回利用した「羽伏浦キャンプ場」にてテントを設営する予定でした。
しかしながら、今回の旅の初日は日中が曇り。夜に雨が(かなり)降るというなんともいえない最悪の天候だったため、急遽計画を変更しました。
テント設営は先にせず、就寝ギリギリまで天候を考慮しつつ粘ることにしました。
というのも、雨でびちゃびちゃになったテントを畳んで次の島へ渡るのは正直避けたかったからです(きっとキャンパーならわかるはずw)。
風向きチェック・波チェック
前回の旅で痛感しましたが、新島の波はパワーが強い上にショアブレイクが目立ちます。台風ウネリともなればオーバーヘッド、ダブルは確定でその上ショアブレイク。
パーリングでもしようものなら、板が割れる、身体を(地面やどこかしらに)強打する、上がってこれない、次のセットに巻かれる、という初心者なら恐怖を感じる波です。
著者も所詮初心者に毛が生えた程度のスキル(自称中級者)。地元(伊豆)の波ならつゆ知らず、ホレ気味のショアブレイクは一番苦手です。その上知らない土地の波は、何度かトライしないとおそらく立てないことも予想されます。
今回は遥か彼方に台風があるにも関わらず、しっかりとウネリをキャッチしていました。
この日もセットは余裕でオーバーヘッドのショアブレイク。判りづらいですが、ローカルサーファーが2人ほどしか入っていません。
この日はまだ初日。クラッシュしては元も子もないですし、“波待ちして終了”の構図しか見えなかったので、気持ちを切り替えて釣りに専念することにしました。(言い訳がしつこいw)
ナイス俺!英断!
夕マヅメに合わせ羽伏浦港で釣り開始
店も閉まってしまうことが予想されるため、先にスーパーでちょっとした買い物と釣具屋で仕掛けや情報を得たのち、一行は、前回まともに釣りができなかった羽伏浦港へ。
連休だったこともあり、先行者もパラパラいましたが、スペースは充分。天候はすぐれないものの、マヅメ狙いの時間帯ということで、堤防沿いは10名前後の釣り人がいました。
早速我々も釣りを開始。
著者は元来ルアーマンですが、エサ釣りで挑みました。友人と友人の子供はルアー(ミノーイング、ジギング他)です。
なぜ普段あまりやらないエサ釣りをしたのかというと、釣り人ならわかると思いますが、何年か一度訪れる“全く根拠のない釣れる自信”が湧いていたからです。(大概外れるんですけどねw)
とはいえ、五目釣り(なんでもいいから釣りたい)狙いで、コマセブロックを用いてウキなし・上カゴのサビキ仕掛けです。
ただ、ここは魚影の濃い新島。号数は中サイズの魚が狙えるように大きめにしました。※使用タックルは後述します
外道のネンブツダイ、ハタンポなどを筆頭に、手のひらサイズの魚がポツポツと釣れはじめ、しばらくするとズシンとただ重いだけのアタリが!
引き上げてみるとイシガキフグでした。
またしても根拠のない自信がふつふつと湧き上がって来ました。
しばらくすると、またしてもアタリ!しっかりとアワセソコソコの引きを楽しみつつゴリゴリ巻いていくとコショウダイ?(魚に詳しい方、違っていたらご指摘願います)がお目見え。
サイズは25センチあるかないかぐらいでしょうか。本来はリリースサイズでしょうが、しっかりとキープ。今晩の食料です。
我々一行に目立った釣果がない中、隣のガチの釣りグループ(初心者含む)がマダイを釣りあげていました。サイズは50cmは優に超えるいいサイズ。
そうこうしていると雨も降り出して来たため、周りの釣り人もどんどん減っていきました。
そして、コマセももう残りわずか。もう少ししたら引き上げようと思った矢先、ガツンと大きな当たりが!
アタリに合わせてしっかりとフッキングさせましたが、先ほどと比べてはるかに重い。
しかしながら仕掛けは心もとないサビキです。時折強く走り出すのでドラグ調節しながらいつ切れるかヒヤヒヤしつつ、なんとか手元まで引き寄せました。
そして友人たちの協力でタモ網で引き上げに成功。
生きのいい真鯛でした。
体高もしっかりあり、天然物の特徴と言われている鼻孔が2つ。そしてヒレピン(渓流魚ではよくこの言い方します)の尾ビレ。
先ほど隣で見たマダイよりもさらに大きい、60cmを超える大物でした。
大きいと美味しくないなんてことも聞きますが、そんなこと関係ありません。友人がその場で血抜き、神経締めをしてくれ、持ち帰り決定。
その後は目立った釣果もなく納竿。
後付けなのでなんとでもいえますが、根拠のない自信が炸裂しました。
しかしながら、さすが新島ですね。使用タックルは竿長も大してないルアーロッド。加えて堤防のヘチ釣りスタイルのような状態で真鯛が釣れるとは、さすがに驚きです。
これだけでも来て良かったと思える結果となりました。
下記記事参照
参考Abu Garcia Ambassadeur S AMBS-5500/5501・4ピース カーボンベイトロッド開封レビュー
※使用したサビキは上記商品ではありません。ピンクスキンですが7号を使用しました。他かご、オモリも使用しています。
羽伏浦キャンプ場キャンプ場に戻り夕食
雨で少し冷えた体と魚臭さもあったため一日の汚れと疲れを温泉で流し、一行はキャンプ場に戻りました。
雨が降っていたため、炊事場で夕飯の調理開始。
コショウダイは時間が経つと模様消えてしまうようです。
捌いてくれた友人曰く、脂の乗りがすごいとのことでした。
まな板が脂でテカテカしているのがお分りいただけると思います。
半身は刺身で、半身はシンプルに塩焼きで、いざ実食。
もうそれ以外の言葉ないですね。空腹感とアウトドアマジックもありますが、脂が乗っていて本当に美味。
友人が真空パックで用意してくれた肉類とともに焼いてみましたが、断然刺身の方が美味しかったです。
肉類は安定の美味しさなのは言うまでもありませんね。
羽伏浦キャンプ場はこういった雨が降っていても施設がしっかりしている、いわゆるオートキャンプ場なので非常に助かります。
羽伏浦キャンプ場
問合せ先
新島村役場産業観光課観光係
〒100-0402 東京都新島村本村1丁目1番1号
電話:04992-5-0284内線214
FAX:04992-5-1304
先行でいた外国人グループの1人(イタリア人)に刺身をおすそ分けしながら、しばし談笑。
どんちゃん騒ぎしているグループもあったりしますが、新島は外国人が多く、島の雰囲気以外で異国情緒が味わえるので、個人的にはこの部分もひとつの魅力だと思っています。
今回、外国の方とも話す機会が何度もあり、改めて“旅は出会い”というのを痛感し、久しぶりの英会話が新鮮で楽しかったです。
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Day2 新島から式根島へ
2日目は午前だけ新島、午後には式根島に渡るプランです。
前日の夜は夜中にかけてどしゃ降りでテント設営は急遽取りやめ、車中泊(といっても男3人寝るスペースをしっかり確保で来るはずもないので仮眠を撮る程度)で夜をやり過ごしました。
早朝4:00過ぎから動き出し、朝マヅメと波が良ければサーフィン、その後温泉にゆっくり浸かって式根島へと渡るという日程です。
サーフィンと釣りのための波・風チェック
ほんの少し晴れ間も見えていましたが、波はあまりよくありません。
地形があっていないのか、羽伏浦海岸はサイズこそあるもののショアブレイク過ぎて、著者のスキルでは太刀打ちできません。
この日も方々回ってみましたが、微妙な波質で波乗りは断念しました。
我々は朝マヅメで釣果はありませんでしたが、遠方(東北)からフィッシングトリップに来た2人の若者の1人が、30cmのヒラマサに続き、2kg超えのマダイをゲット!
ヒットルアーは15g前後のジグで、いずれもボトムでヒットしたとのことでした。
彼らはルアーマンのため、クーラー等持っていませんでした。釣ったマダイもそのまま、リリースするとのことだったので、友人が血抜き&神経締めをし、ありがたくいただきました。
これで友人もお土産はとりあえず確保。その後朝食を買いにスーパーへ赴き、レンタカー返却のために給油を済ませ、新島港近くの温泉にゆっくり浸かり、いざ式根島へ。
新島から式根島への行き方
方法はいたって簡単。乗って来た船(大型客船・ジェット船・フェリー)でそのまま行く方法と、連絡船「にしき」を利用する方法があります。
新島と式根島の距離は約8kmと近いため、料金はさほど高くありません。
ただ、もっと安く済ませたいのであれば、神新汽船を利用するのがいいかもしれません。ほんの数百円の差ですが、わずか280円で渡れます。
ただし、手荷物は別途料金がかかるので、ご注意くださいね。※利用船によって料金は異なります
我々は手荷物の関係で(領収書は東海汽船ですが)神新汽船のチケットを購入しました。
癒し(?)の島 式根島
天候は回復したものの、ウネリはまだまだ残っており、船に乗った時点で帰ればよかったんですが、そんなこととはつゆ知らず、一行は“癒しの島式根島”に上陸。
式根島はウネリの反応がない限りサーフィンは期待できないため、釣りとスノーケリングとキャンプ、それに温泉が目的です。
新島よりさらに小さい島なので、計画は基本徒歩。
多少前後したり間に食事なども挟みますが、下記のようなプランです。
- 釜の下キャンプ場でテント設営
- スノーケリング(スキンダイビング)
- 釣り
- 温泉
- 釣り
温泉からの距離などを考慮し「釜の下キャンプ場」を拠点に計画していました。
しかしながら序盤にして、その計画は頓挫します。
インフォメーションにて情報収集したところ、我々が行った9月は「釜の下キャンプ場」とは真逆(西側)の「大浦キャンプ場」のみ利用可能。公式サイトに記載があったにも関わらず、完全に見落としていました。
また、事前情報では“比較的平坦”と聞いていましたが、完全に嘘です。
アップダウンめちゃくちゃあります。荷物が大量にあるとかなりキツイと思っておいてください。
加えて、覚えてしまえばなんてことはないんですが、同じような景色で若干道がトリッキーです。行き交った方ほとんどに声をかけましたが、歩いている方はほとんどおらず、自転車を利用していました。
実際小さな島なので、レンタカーを借りるほどではないにしてもレンタサイクルは鉄板。
ただ、アップダウンが多いのでケチらずに電動を選んだ方がいいかもしれません。
お店によって異なりますが、料金は普通の自転車で1,000円/1日、アシスト機能付自転車で2,000円/1日といったところです。
注意
- ゴールデンウイーク及び7~9月:大浦キャンプ場
- それ以外の期間:釜の下キャンプ場
- 12月~2月末までは全てのキャンプ場が利用不可
自転車は脚力に自信がなければアシスト付自転車が無難。また、1日は24時間料金ではない場合が多く、閉店までに返却というお店もあるのでご注意ください。
大浦キャンプ場に到着しやや幻滅
天気は回復したものも、蓄積している疲労と睡眠不足が加わり、アップダウンに泣きそうになりながら、やっとの思いで大浦キャンプ場に到着。
着いて最初の印象ですが…
伊豆の田舎育ちの身としては、見たことのあるような景観でさほどの感動はなく、管理棟は置き去りになった釣り竿、アウトドアグッズなどが散乱、炊事場はゴミもやや放置され、(羽伏浦キャンプ場と比べ)狭く、小汚く、正直幻滅しました。
※あくまでも個人の感想です。ハマる人にはハマると思いますが、私は“リピートはしない”という結論です。気分を害した方にはお詫び申し上げます。
もう少し付け加えると、屋外なので衛生面が気になるというわけではありません。“人間が散らかした状態がそのままになっている(つまり出したゴミはおろか、持ってきたレジャー用品まで持ち帰るのが面倒で置き去りにするようなマナーの悪い人が明らかに多い)”という意味です。
そんな少し残念な気分だったこともあり、写真すら撮る気になりませんでした。※動画では撮影しています。14:00位からが大浦キャンプ場です。
加えて、安全考慮の対応なので致しかたないんですけど、遊泳禁止エリアが設けられています。
遊泳可能エリア(湾内)では、本来の魚影の濃さが見れないだけでなく浅いため透明度もイマイチ。
そして重複しますが、伊豆や本島でも似たローケーション、むしろもっと楽しめるところは普通にある、といった理由でスノーケリングする気が一切持てませんでした。
昔から伊豆の自然と共に育ってきた身としては、沖縄の観光地化されたビーチを彷彿とさせて一気に幻滅してしまいました。
重い荷物を置いて、大浦キャンプ場を後にします。
考察
“ファミリー向けの島”というのを再認識し、改めて納得しました。
湾になっているため、『ウネリの影響を受けにくい』・『遊泳禁止エリアが設けられ安全』・『浅場のため小魚や熱帯魚が豊富』と言えそうです。
素潜りやスキンダイビング、スピアフィッシングを常日頃からやっている方は少し物足りなさを感じるかもしれませんが、ファミリーには安全でいいのかもしれませんね。※海流や地形。カレントもわからないまま突っ込んで行くのも愚の骨頂ですけどね。
癒しの島の温泉巡り(温泉紹介)
さすがに真逆の温泉までは徒歩で行く気にはならず、レンタサイクルを利用。
もちろんアシスト付など利用せず、通常のいわゆるママチャリです。何しろデスクバイクで日々鍛えてますからね。
画像を撮り忘れましたが、温泉に入る前にそこからほど近い、小浜漁港にて夕マヅメに合わせて釣りをしましたが、ウネリと風がかなり強く全員ボーズにて納竿(周りも一切釣れてませんでした)。
松が下 雅湯
泉質は硫化鉄泉で濁っています。
神経痛、リウマチ、胃腸病、冷え性などにも効果があるとのことで、要水着着用でもちろん24時間利用可能。
足附温泉
松が下 雅湯から上図のような海岸沿いの山道を少し歩くとある温泉です。
足附温泉は、式根島内で唯一無色透明なお湯が湧いている温泉で、切り傷、おでき、水虫、アトピー皮膚炎などに効果があるそうです。
潮位によって、海水を入れて温度調節するのも楽しいかもしれないですね。
憩の家
別ルートからもいけますが、足附温泉から坂を登ってすぐのところにあります。
こちらは有料の温泉で、大人¥200/子供¥100で利用できる、いわゆる銭湯みたいな温泉なので、天候に関係なく利用できるのがメリットです。
神経痛、リウマチ、胃腸病、冷え性などに効果があるそうで、マッサージチェア(有料)やTVもあるのでゆっくりしたい方にはいいかもしれません。
朝マヅメに備え早めの夕食・就寝
地元の方々に情報収集したところ、釣りをするなら入港した野伏港が鉄板のこと。
この日は温泉に入った後、翌朝マヅメに向けて早めの夕食を済ませ就寝することにしました。
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Day3 最終日はスノーケリング・釣りの計画
早朝4:00頃起床すると、暴風。この風、実は深夜からで、寝ている時もテントのフレームが折れないかヒヤヒヤしていました。
風がひどすぎたので結局動き出したのは明るくなった5:00過ぎ。テントをたたみ、帰り支度を整え荷物をまとめて野伏港へ向かいます。
11:00頃までにレンタサイクルの返却があるため、徒歩プラス自転車で一度野伏港に荷物を置き、大浦キャンプ場と野伏港を往復しました。
天候は恵まれたもののウネリと暴風そしてアクシデント発生
荷物をひとまず港に置いて、スノーケリングできそうなポイントを探して走り回りましたが、ほぼ全て遊泳禁止。
旅の中で一番天候に恵まれ、スノーケリングは子供が楽しみにしていたので残念でしたが、自然の怖さも充分理解しているため、ここは素直に従いました。
港に戻り、釣りをしてみましたが、暴風とウネリによる高波。その上日差しが強く、疲れのせいで釣りになりませんでした。
時間も時間だったのでレンタサイクルを返却しに「浅野レンタサイクル」さんへ。
浅野レンタサイクル
〒100-0511 東京都新島村式根島329-5
電話:04992-7-0341
そこで店主(?)のお母さんが一言。
「下田便欠航だよ?」
お母さん:(地元の近所のおじさんに確認のため駆け寄り声をかける)「ねぇ!今日下田便欠航って言ってたよね?!」
おじさん:「おう!今日は欠航!」
というわけで帰れなくなりました。
やることがなくなり時間を持て余す
テンションだだ下がりの一行。
私は個人事業なのでどうとでもなりますが、友人はサラリーマン。仕事を急遽休む必要があり、バッテリーが死活状態(特殊形状のケーブルが必要な端末で充電ができない)中、方々になんとか連絡を済ませます。
嬉しいのは突然学校に行かなくてもよくなった子供のみ。
とはいえ、連日の運動量と睡眠不足により疲労はマックスです。目は隠してますが、全員目は死んでます。
そうはいっても過ぎたことは仕方ないので情報収集です。
新島・式根島で欠航(条件付き)になってしまった場合の対処法
東海汽船の案内所で話を聞いたところ、ウネリで接岸できない場合や風があまりにも強い場合はよく欠航するとのことです。
特に、ウネリの影響を受けやすい新島と、港が一つしかない式根島はよく欠航(接岸できない)するので注意が必要です。
ただしあくまでも接岸できない港には寄らないだけであって、100%欠航と判断するのは時期尚早。
多くの場合、港が2箇所に分かれている神津島のみ接岸する、“条件付き出航(運行・就航)”となります。
うねりや高波の影響を受けるのは、大型船・ジェット船・フェリー全てに共通しますが、一番多くの客を乗せていて、なおかつ船体が一番安定している大型船が接岸してくれる可能性が高いんです。
つまり、今回で言えば、下記の方法でならその日に帰ることができたんです。
式根島(大型客船利用)
↓
神津島(一旦上陸しフェリーを利用)
↓
下田
ちなみに、就航順は大型客船→ジェット船→フェリーなので、フェリーまで待ってから大型船へということは物理上不可能です。
また、晴れているから欠航にはならないということは一切なく、天候の良し悪しは全く関係ありません(この日は快晴)。あくまでも、海上の状況によりますのでご注意ください。
欠航になっているかどうかは、朝(8:00)の段階で、東海汽船のチケット売り場で情報を聞くか、島内のアナウンスを聞いておく必要があります。
冬の時期は風波が立ちやすいため、さらに頻繁になるそうです。
我々が利用したのは下田ターミナル発のフェリーあぜりあ。島巡りをよくしている方なら常識かもしれませんが、アナウンスをしっかり聞いていなかった、そして無知だったのが災いしました。
下田発フェリー条件付き就航対処法 まとめ
- 朝8:00には運航状況が分かるので野伏港待合所(チケット売り場)へ行く
- 同時に当日の運航状況を島内アナウンスで知らせてくれるのでよく聞く
- 大型船・ジェット船にて神津島へ行く※荷物の量によっては大型船一択の場合もあるので注意
- そのまま大型船・ジェット船で本土へ行き電車を利用 or 一旦神津島で降りてフェリーで帰る
地のものを食す
アウトドアメインの旅は、持って来たものを食べたり、粗食か釣りによる自給自足がメインです。
そして、島はキャッシュ文化。カードを持って来ても邪魔なだけなので、手持ちはキャッシュのみ。不可抗力で1日伸びてしまったこともあり、明日、その先もどうなるかわかりません。
“できるだけ安く”地のものを食べようということで、今回の旅で何度か利用させてもらっている「池村商店」さんへ。
ここでは地元名産の岩のりや、明日葉などを使った弁当や、店内で揚げたパン(揚げパンなど)なども売られています。
そこで入手したのが、この「岩のり弁当」。(すみません、名前忘れました)
ちょうど作りたてでホカホカだったのもあるかもしれませんが、朝食だった(&気分が滅入っていた)にも関わらず揚げ物もペロリといけました。
入っているのは竹輪、カニカマ、明日葉の天ぷら、魚のすり身の揚げ物、岩のりに醤油をかけたご飯(と漬物)です。
この弁当、もうワンサイズ大きいものもあります。
島の中心という好立地ということもあり、かなりお世話になりました。
飲料や惣菜パン、カップラーメン、レジャー用具、各種レンタルもしているのでオススメの商店です。
池村商店
取扱い商品:お弁当・パン・食品・生活雑貨・酒類
住所:〒100-0511 東京都新島村 式根島348-1
電話:04992-7-0016
FAX:04992-7-0368
出会いこそが旅の醍醐味
港に戻り、今後の作戦を練っていると、あるおじさんと出会いました。
実はこのおじさん、前日に釣果を聞くために既に声をかけていて、島には何度も訪れているという方でした。
優しさオーラしか出ていない方で、物腰の柔らかいおじさんですが、キャンプや釣りはかなりの玄人。そして、ガジェット類まで扱う情強おじさんでもあります。
地元の人たちが釣っている場所や編み出した釣法のレクチャーや世間話を経て、後の再会を約束し一旦別れます。
式根島にサーフィンウネリ到来
時間がたっぷりできたことで、ダメもとで、前日行った小浜漁港すぐ近くの「釜の下海岸」を徒歩で目指します。
前日の時点で、ウネリが入っているのは確認済みで、満潮時はサーファーが何名かいたのもチェックしています。
ちなみに、式根島でサーフィンと言ったらココらしいですが、満潮時じゃないとエントリー出来ないリーフポイントです。
このポイントは前述した温泉ともほど近いため、私がサーフィンしている間温泉に入るという計画。
現地に着くや否や先行者あり!少しクセはありそうですが、グーフィーのセット肩〜頭ぐらいの波があります。
地元サーファーにカレントなどを聞き、いざ入水。
意気揚々とポイントまでパドルし、早速ゲット!
巻かれました…。
加えてクラッシュ。
萎えました…。
今から少し言い訳をしますが、お許しください。
まずこのポイント、ウネリが入っていても、ゲッティングアウト自体はさほどきつくありません。
ただ、恐ろしく浅いです。
左右ポイントがあり、上記画像で言えば、今回エントリーしたのは第3ポイント。第2ポイントのレギュラーは割れておらず、第1ポイントとの二択です。
サイズは第1>第3といった感じで、地形やパワーを探るべくとりあえず少しだけサイズが小さい第3ポイントを選びました。
自分のスキル不足以外の何者でもありませんが、地形がわからないまま突っ込んで、そして一発目にコケてしまったせいで(バックサイド苦手w)、ボードもフィンもガリガリに削れ、時計もクラッシュ、自分もクラッシュ、一気に萎えました。
思っている以上に浅いので、絶対にコケない自信がある方、ボードがどうなってもいいという方以外は正直式根島サーフィンはオススメしません!
今後行く方の参考になればと思います。
正直式根島でサーフィンは全く期待していなかったこと、港から徒歩だとかなり面倒な距離ということもあり、まさかサーフィンができるとは思っていませんでした。
ポジティブに考えれば収穫ですね。
温泉に入り鋭気を養い釣り釣り釣り!
ど平日の日中から温泉にゆっくり浸かることができるのも、欠航になったおかげ。ほぼ貸切にて温泉を堪能した後、一日伸びた分、今日こそは友人も釣果をあげたいところです。
夕マヅメに合わせて現地の方含めて野伏港に集まってきます。
そして私たちも例外ではなく、先ほど会った釣り師のおじさんと共に好ポイントを陣取り、いざリベンジをかけて釣り再開!(といっても堤防ですけどねw)
結果、大漁でした!
伊勢海老が入れ食いです!その数20は釣れたと思います。しかもほとんどがキロ超えサイズ。さすがの魚影です。
式根島では、伊勢海老に限らず、アワビやサザエ、トコブシなどの貝類には漁業権があり、一匹でも持ち帰れば密漁となります。
下記記事の冒頭にでも少し触れていますが、密漁は立派な犯罪です。スノーケリングで安易に獲るのも同じです。肝に銘しておきましょう。
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解説:密漁の罰則は、内容により異なります。一般の方でも普通に捕まった事例もあります。お気をつけください。
- 漁業権を侵害する行為を行った場合、20万円以下の罰金刑
- 漁業権に基づかない定置漁業・区画漁業、ならびに無許可での漁業行為には3年以下の懲役又は200万円以下の罰金刑
そしてその後私は、ハタンポが爆釣、カサゴやウツボ、テリエビス?(カイエビス)などが釣れました。
友人も集中力を途切らせず、ジギングで攻めると、コツンとアタリが!
この時の画像がないので後ほど送ってもらいました。綺麗なピンク色のマダイです。※画像向かって右側。左は新島でルアーマンから頂いたマダイです。
ヒットルアーは右図のダイワ製20gのジグです。
友人がヒット・アワセだけし、やり取りは子供にやらせるという粋な計らいで釣り上げた一尾なので、正に親子の共同作業で釣った魚です。
友人も友人の子供もポツポツ(外道含めて)を釣ったり、周りもソコソコ釣れている状況でした。
兎にも角にもこの日我々が楽しく釣りができたのは、あの“おじさん”のおかげです。用意周到に仕掛けや餌を用意してくれ、準備不足の我々のサポートをたくさんしていただきました。
ご自身も外道含めそれなりに釣果はあったようですが、私が釣ったカサゴはプレゼントしておきました。
釣りに満足し再度温泉に浸かり夕食後就寝しようとするが
もうかれこれ何往復したでしょう。疲れはピークでしたが、まだ釣りを続けているおじさんがいる港を後にし、魚や餌臭くなった身体をリフレッシュすべく、アップダウンに疲弊しながら再度温泉を目指します。
ど平日な上に、深夜近かったこともあり、もちろん貸切状態。
しっかりと身体の疲れを癒し、身体も洗いリフレッシュした後、翌日の船の乗り遅れや一早い情報キャッチのために、先ほど釣りをしていた野伏港へ。
新島村観光協会へのお願い(思いよ届け!)
夏季のキャンプ場の場所悪すぎませんか。スペース的な問題だとは思うんですけど、釜の下キャンプ場を夏季の運営にしませんか。温泉入った後大浦キャンプ場まで歩く(自転車も)の結構しんどいです。お願いします。
天候が豹変
“島の天気は変わりやすい”とはよく言ったものですが、みるみる天候が悪化していきました。
(伸びてしまった)最終日は、テントを出さず、“港の待合所(屋外)のベンチで野宿”するのが我々のプランだったので、港に戻るとおじさんもすでに納竿し、ベンチに横たわっていました。
堤防も海水がかぶるほど荒れていて、翌日帰れるのかという不安を残しながらも、この時間まで何も食べていなかったので、夕食の準備に取り掛かります。時間は深夜0:00を回っていました。
と言っても、レトルト食材のためにお湯を沸かしただけですけどね。
このバーナー、火力こそそこまでですけど、一個持っておくとかなり便利です。
使用機材はコチラ。
火を見つめていると、猛烈な睡魔が。友人の子供は空腹感より睡魔に負けその場でダウン。
強風すぎてお湯が温まりきらないままのレトルト食材をチャチャっと食べて、寝床を確保していきます。
タンカーの裏など、風をかわしそうなところへベンチを持って行き、寝ようと試みるも、強風に続き雨も降り出しました。
屋根は一応ありますが吹きさらしだっため、どれだけ風をかわしても直に風を受け、北風だったのか冷たい風で体感温度も下がっていきました。
その上ベンチは全長150cm程度で足は伸ばせない、背中は痛い、寒いで全く寝られません。
一晩中風は吹き荒れ、全く寝られませんでしたが、なんとか朝を迎え、明るくなる頃には人の往来も始まっていたので情報を集めます。
Day4 おまけのスノーケリング
早朝の段階で天気は回復したものの相変わらずの風。嫌な予感はしていましたが、情報収集して回ったところ、どうやら“条件付き”の運行はするとのことでした。
条件は“人は乗せるけど車は乗せない”という条件。事実、車で来島された方もいて、身動きが取れずにいました。
30分ごとに何度も確認を取り、「大丈夫、今日は船でるよ!」とのお声をいただき、安心した一行は、今回やろうと思ってできなかったスノーケリングができる場所を探しました。
正直濁りが入っていて綺麗ではありませんでしたが、少しだけ海に入り、帰り支度です。
美味!釣った魚を捌いて食す
帰宅後、疲れはピークでしたが、魚をさばいて調理しました。
まさに鯛づくし!
サイズもサイズなのでしっかりと鱗をとり、下処理をしていきます。
捌くのが下手くそなので刺身がぶつ切りみたいになってます。
確かに筋は強いですけど普通にうまいです。
頭は煮付け(めちゃくちゃデカイw)。
これも美味です。しっかりとダシが出ていて臭みもほとんどなし。子供も食べられるように醤油は少なめにしましたが、味は最高です。
そして、美味しそうに見えませんが鯛飯も作りました。(だし汁は煮付けの汁を使用)
これもダシが染み込んでいい味でした。
そして極め付けはコレ、あら汁です。
身もたっぷりつけていますが、正直あら汁が一番うまかったです。骨から出汁がこれでもかと出ていて、磯というか海の香りが広がります。
自分で釣った魚を食す、釣りの醍醐味ですね。(最後の方はちょっと飽きたとかナイショの話w)
今回の旅はアクシデントもありましたが結果オーライ。いい旅となりました。
季節が変わればまた違った表情を見せてくれると思うので、また訪れようと思います。
次は神津島へ行くぞー!
かかった費用
- フェリーチケット代(往復):4,680円 + 4,390円 = 9,070円
- フェリーチケット代(新島〜式根間):280円
- サーフボード代:700円 × 往復 = 1,400円
- レンタカー代(割り勘):10,000円/Day
- ガソリン代(割り勘):1,990円
- レンタサイクル代:1,000円/Day
- 食料・雑費・釣り具:約5,000円
合計:22,745円
動画も合わせてチェック!
あとがき
今回の旅は動画をメインにしようと思ったんですが、書き始めたらかなりのボリュームになりました。
現在は、LCC等で安く国内旅行や海外旅行も行くことができます。でも、日本にもまだまだいいところがあります。
伊豆諸島は、東京から数時間という好立地です。まだ未到達の方はぜひ一度行ってみることをお勧めします!