日本国内でファミリーカーといえばミニバン。
子どもができると特に、ゆったりとした車内空間が欲しくなりますよね。
著者も例にもれず、元々ヒンジドアタイプのミニバン持ちでしたが、少し手狭になってきたため、Lサイズの中古車を少し前に購入。
そこで問題になるのが、低年式(年式の古い車)の車両は設計が古く、純正ナビ搭載ともなると、Bluetooth(無線)接続不可なんてことがザラにあります。
そんな不満を解消してくれるのが、手軽にBluetooth接続を可能にする、FMトランスミッターです。
そこで今回は、日本国内で絶大な人気を誇る「JAPAN AVE.(ジャパンアベニュー) FMトランスミッター」を購入したので、実機レビューをしていきます。
Contents
JAPAN AVE. Bluetooth 5.0 FMトランスミッター インプレッション
前車は後付けナビだったこともあり、当然Bluetooth対応で、しばらくFMトランスミッターとは無縁の生活でした。
FMトランスミッターは、FM電波を拾う特性上、電波が干渉しあってクリアに聞こえなかったり、ノイズが入ったり、音が小さかったりと、とにかく、
- 音質が悪い
とよく言われます。
かれこれ10年以上前なのでうろ覚えですが、実際昔使っていたFMトランスミッターの音質はそこまで悪くはなかったものの、音は確かに小さかった記憶があります。
とはいえ、FMトランスミッターのメリットは、
低年式車両でもシガーソケットさえあれば手軽にBluetooth化できる
ということです。
現在も様々なメーカー、ブランドからFMトランスミッターはリリースされていますが、今回紹介する「JAPAN AVE.(ジャパンアベニュー) FMトランスミッター」は、Amazonや楽天でもベストセラーとなっている人気の商品です。
実は最近の車も専用ナビが搭載されていて、ナビ乗せ換えNGの車両が増えています。
もちろん、高年式であれば、Bluetooth接続は可能ですが、昨今はスマホでナビが出来てしまうこともあり、専用ナビのスタンスとしては、カーナビはあくまでも追加機能のひとつです。
スマホが普及したことで、アプリ連携やオーディオ関係の設定、ハンズフリー、燃費計上、オペレーターとの通信サービスといった、スマホ通信ありきの装備として、専用ナビを採用するようになったと言われています。
販売元は愛知県岡崎市の「株式会社インタートレーダム」という会社で、“車社会である日本の道路で安全かつ快適なドライブを提供する”という企業理念のもと、カーエレクトロニクス用品をいくつか販売しています。
2019年12月に、株式会社ジャパントレーディングという会社と合併し、現在メインの拠点は東京t都港区とのことで、決算書を見る限り、大企業ではなく、堅実に頑張っている中小企業。また、その名の通り、製造業ではなく貿易商社といった位置づけの会社です。
スペック紹介
JAPAN AVE. FM TRANSMITTER | |
モデル | JA996 / JA998 |
カラー | シルバー/ブラック |
---|---|
素材 | 樹脂(光沢メッキ仕上げ) |
チップセット | ATS2825B |
Bluetooth ver. | 5.0※マニュアルには記載なし |
Bluetooth通信距離 | 約10m |
対応プロファイル | A2DP, DSP |
再生可能音楽ファイル | MP3, WMA |
対応車種 | 12V-24V車種 |
FM送信周波数 | 75.0MHz~90.0MHz |
インターフェース | 3.5mmステレオミニプラグ※AUX-IN/OUT対応 急速充電USBポート×3(最大出力4.2A)※U-Disk(最大35GB) |
USB出力 | 2.1A + 2.1A + 0.5A |
対応アプリ | SmartBC |
その他機能 | ハンズフリー通話電圧測定(最大9~26V) |
サイズ※幅 × 高さ | 8.0 × 3.0 × 12.0mm |
重量 | 約90g |
※取説・ショップページ・公式サイトから抜粋
製品の特徴・概要
先述しましたが、「JAPAN AVE. FMトランスミッター」は、2017年、2018年、2019年と、(FMトランスミッター部門にて、3年連続でAmazon年間ランキングにてベストセラーになっている商品です。
本製品も生産は中国ですが、数多ある中華ブランド品とは一線を画し、特許や電波法(ELP)、技適といった、日本国内に順守した規格に設計されています。
- 意匠権・商標権取得
- ATS2825Bチップ搭載
- ノイズ軽減独自技術
- Bluetooth 5.0対応
- 有線・無線対応
- 12V/24Vの車両対応
- SmartBCアプリ連携
- 電圧測定・安全保護機能搭載
- 最大4.2A急速充電対応
- USBメモリ音楽再生
- 技適・電波法適合
- 1年保証
消費電力を抑え、通信速度が速いBluetooth5.0に対応しているため、安定した無線通信が可能で、チャンネル数は141チャンネルを網羅(76.0~90.0MHz)しています。
急速充電用のUSBポートを3か所配置することで、最大4.2A高出力を実現。※2.1A + 2.1A + 0.5A
また、ファンクションが充実しており、音楽の再生/停止や、スキップ、受話応答などに加え、ナチュラル・ポップ・ジャズ・ベースといった4種のイコライザ機能も搭載しています。
電圧測定による過電圧検知機能を搭載し、超過電圧の際の保護機能や、12V/24Vどちらの車種にも対応しているため、幅広い車種で利用できる汎用性の高さも魅力です。
USBメモリにも対応しているので、通信料を使わずにトランスミッター経由で音楽再生が可能。
Bluetooth接続には、iOS/Android両OS対応の「SmartBC」アプリを使用。
Spotifyはじめ、Amazon MusicやAWA、Google Play Music、YouTubeなどが再生可能です。
「JAPAN AVE. FMトランスミッター」は、設計に3年以上要しているとのことなので、それだけこだわりが詰まった、日本向けのFMトランスミッターです。
「JAPAN AVE. FMトランスミッター」は、正規店であればAmazon倉庫からの出荷とります。価格も統一されているため、ポイ活等している方はご自身にメリットのあるショップからお買い求めください。
- 通信安定高音質
- 複数端末同時充電可能
- 簡単セットアップ
- 法令遵守は当たり前(ウリではない)
- 音量はやや小さめで筐体はかなりプラスチッキー
- アプリ広告がやや鬱陶しい
JAPAN AVE. Bluetooth 5.0 FMトランスミッター 実機レビュー・評価・感想
本製品のBluetoothのバージョンは、現在は5.0となっていますが、Bluetooth 4.2の頃から少しずつバージョンアップされてきているようです。
そういった起業精神は素晴らしいと思いますが、ショップページに、
現在、同業者の営業妨害で ☆1 ☆2レビューの連日投稿被害を受けており、現在調査機関に依頼し、犯人の特定を行なっております。
※Amazon並びに楽天ショップページより引用
といった記述があります。
実際使用してみて思いますが、本当のレビュアーも間違いなくいるので、こういった表記はユーザー(消費者)側は胡散臭さしか感じないんですよね。正直「取り下げた方がいいのでは?」と思います。
サクラレビューが横行している中華ガジェットを数多く触ってきている著者としては、高評価を付けたい気持ちもわからないではないですが、これは明らかにマイナス。
いきなり辛口になってしまいましたが、では、正直にレビューしていきます。
化粧箱・パッケージ
意匠登録されているだけあって、前面はブランドロゴ、背面にはQRコードと、化粧箱のデザインはシンプルですが洗練されています。
【パッケージ内容】
- FMトランスミッター 本体 × 1
- AUXケーブル × 1
- ユーザー登録用カード × 1
- 取扱説明書 × 1
マニュアルは国産品なので、親切丁寧に書かれています。
筐体・デザイン
前面に、音楽再生、スキップ、リバース、受話応答等のボタン、そのすぐ近くの小さな穴がマイクです。
右端のファンクションはスライドさせることでEQ(イコライザー)調節を行えます。
- EQ1:ノーマル
- EQ2:ポップ
- EQ3:ジャズ
- EQ4:ベース
って具合に変更できるウキ!
ちなみに、ツマミを回すと音量調節できそうだけど、「JAPAN AVE. FMトランスミッター」には、音量調節機能はついていないから注意ウキ!
上部に、AUX IN/OUT兼用の3.5mm端子と周波数切り替えボタン、底面にUSBポートを配置。
一番左のUSBポートは、マニュアルには0.5Aと記載されていますが、製品側には2.1Aとなっています。もしかしたら仕様変更(アップデート)されているのかもしれません。※後に実際に計測しています
シガーソケット挿入部分は180°任意に調整可能です。
背面には技適マークが記載。
せっかくなので、「総務省 電波利用ホームページ」にて確認してみます。
平成31年(って割と最近ですね…)1月に「Philgrow International Co., Ltd.」という会社が適合を受けています。
調べてみましたが、マレーシアの会社でしょうか。はっきりした情報は出てきませんでした…。
JAPAN AVE. FMトランスミッター 使用感レビュー
自社開発の専用アプリなので安心して利用可能
ペアリング方法については、取説にも詳しく掲載されているので割愛しますが、前述の通り上記「SmartBC」というアプリを使用します。
開発元を見る限り、自社開発のようですね。
化粧箱裏面からQRコードを読み込んでもいいですし、App Store/Google Playから手入力で検索し、インストールできます。
著者のメイン端末はAndroidのため、Google Playから手入力で落としています。
自社開発、更新もしてくれているので好感が持てますね。
通常のBluetoothデバイス同様、機器をアプリを立ち上げたら検索してペアリングすれば無線通信完了です(近くにレオパレスがあったらしく「LifeStick」が検索されてますがお気になさらずにw※右図)
アプリのレビュー評価に“どうして位置情報が必要になるの?”という頓珍漢な低評価レビューがありますが、カーファインダー機能を搭載しているので当たり前ですw(嫌ならスマホ側で権限を与えなければいいだけです)
安定した通信とソコソコの音質
というわけで、難なく設置完了しましたが、肝心の音質について。
“FMトランスミッターの音質にどこまで求めるか”にもよりますが、個人的には充分高音質だと思います。
取説の注意書きにも記載されていますが、住んでいる地域や時間帯によって、ノイズが入りやすい周波帯は必ずあります。
あえて、それを無視してラジオが流れているFM周波数で試してみましたが、気になるほどのノイズもなく、クリアに聞こえます。
とはいえ、FMトランスミッターの特性上、場所によってはノイズが入りますし、音はどうしても小さくなってしまいます。
同じく取説に記載されている通り、車両側のスピーカー音量を調整するのではなく、スマホ側の音量をMAXにすることである程度解決します。
でもスマホも音量いじることになるからそれはそれで注意ウキ!
正直言うと、昔のFMトランスミッターも同じような感じだった記憶があるので、全く持って及第点です。
AUXケーブルにて接続もしましたが、著者はさほど違いを感じませんでした(aptX対応の端末ですし)。
SBC:標準的なコーデックで、一番汎用性が高い。高音域の再現性が低く、音の遅延、ホワイトノイズが入る。
AAC:主にiPhoneで採用。音の遅延もなく、高音質な音楽を愉しめる。
aptX:主にAndroidで採用。音の遅延もなく、高音質な音楽を愉しめる。
厳密にいうともっと上もありますが、Androidユーザーなら、現在主流のミッドレンジあたりから、aptXコーデックに対応しているはずです。
無線接続が出来るのに有線でつなぐこと自体本末転倒ですしねw
※確認!
音質は接続元デバイスの搭載チップや対応エンコード、使用している音楽ソフトなど、車両搭載のスピーカー環境やイコライザー機能、端末によっても異なります。また、デバイス間の相性や聴くジャンル、聴き手の好みにも左右されます。
当サイトでは、複数の端末でチェックしていますが、いずれも問題なく使用できています。
追記:本製品はSBCのため、動画等を見ると確実に遅延が発生します。
デバイス間には両者がコーデックに対応している必要があります。
本製品の対応コーデックは、SBCです。そのため、残念ながら圧縮の関係上遅延が発生したり、音域の再現性は低くなります。
左記一番下が本製品です。
ペアリングした状態で確認したところ、SBCとなっています(スマホはaptX対応です)。
Androidより、iPhoneでの接続の方がよりクリアかもしれません。
ハンズフリー通話はプラスアルファ機能
「JAPAN AVE. FMトランスミッター」には、ハンズフリー機能も搭載しています。
音質同様、これについても設置環境によりますが、プラスアルファ機能にとどめておいた方がよさそうです。
というのも、シガーソケットはほとんどの車種がコンソール部分にあります。
そして、本製品搭載のマイクは単発のモノラルマイク。決して高品質なマイクではありません。
そのため、相手側の声は、スマホや車両のスピーカーに依存するのでしっかり聞こえますが、相手側は聞こえずらいという現象に陥ります。
個人的には本機能があるからこそ、購入したといっても過言ではないため、少し残念です。
全てのポートで急速充電対応
画像は2枚ですが全てのポートで同じように約5V出力されます。
充電はしていない状態なので840mAhとなっていますが、急速充電対応のスマホであれば、バッチリ約1.6A前後供給してくれます。※下図参照
昨今はスマホだけでなくタブレットなども持ち歩く機会が増えてきたため、急速充電は嬉しい限りです。
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気になった点・注意したほうがいい点
既に残念ポイントや注意点はあげてきていますが、さらにいくつか気になったことがあったので記述しておきます。
- 法令遵守は当然のこと
- 音質への過大な期待はしないこと
- アプリ広告がやや鬱陶しい
2に関しては重複する部分もありますがご容赦ください。
法令順守は当然のことでウリではない
新興中華メーカーも実はよくやっていることなんですが、“技適取得済み(正しくは適合)!”、“電波法適合!”を売りにしているブランドが多々あります。
ですがこれは、当たり前のことで、電波法を破れば当然罰則があります。
ザックリですが、罰則は下記の通りです。
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります。
元々は、これらを無視して販売している業者がいたのが諸悪の根源ですが、最近は中華メーカーであっても、電波法絡みの通信機器だけでなく、PSE等についても法令順守しています。
- 警察・消防・救急用無線の妨害
- 防災行政無線の妨害
- 災害時の緊急通信の妨害
- 鉄道・航空等の業務用無線の妨害
とか、人の暮らしを脅かす可能性があるからウキ!
もちろん、これを謳うこと自体はいいと思いますが、あたかもウリにしてしまっては、せっかくの日本ブランドが中華企業と同じように見えてしまい、若干の胡散臭さを感じてしまいます。
いい製品という自負があるのであれば、ぜひ製品の魅力を別の部分で打ち出してほしいと思います。
FMトランスミッターの音質に過大な期待をしすぎない
何度か言っていますが、本製品の音質は充分クリアで高音質です。
とはいえ、FM電波を利用する特性上、密集地などではノイズが入りやすかったり、干渉しあったりします。
電波法は比較的早く、数年ごとに改正されています。今後はさらに厳しくなるかもしれませんし、スマホが普及してきたことや、5G回線の拡大、海外からの流入が増えてきたことにより、もっと緩和されていく可能性もあります。
ですが、現在は先ほど言った海外製の不法電波帯の製品を規制すべく、それなりに締め付けも強くなっています。
本当の高音質を望むなら、ハイレゾ対応ナビに乗せ換えるなりする以外方法はありません。
価格からしても相当頑張ってくれていますし、これだけ手軽に無線接続させてもらえるのは、むしろ喜ばしいことです。
アプリ広告がやや鬱陶しい
前述の通り、「JAPAN AVE. FMトランスミッター」は、『SmartBC』とのアプリ連携をして利用します。
もちろん、無償提供してくれているので感謝しかないものの、本アプリは広告が入ります。※使用感レビュー参照
鬱陶しいほどのサイズではないですし、アプリ使用上何の問題もありませんが、個人的には、製品購入者のみ「ユーザー登録(一人1台)」→「複数デバイス登録を課金制」といった感じのアプリでもいいのではないかと思います。
そうすることで、ユーザー情報をえられるだけでなく、登録状況、アフターなどもしやすいのではないかと思います。
JAPAN AVE.(ジャパンアベニュー) FMトランスミッター 総合評価
かなり辛口評価をしてきましたが、FMトランスミッター部門で高評価なのもうなずける、総合的に素晴らしい製品です。
中華モデルと比べると(本製品も製造は中国ですが)やや割高ではあるものの、国内の規格にバッチリ適合しているだけでも安心感があります。
ファンクションもわかりやすく、接続も簡単で、ミュージックアプリとの連携も使い勝手がよく、現代人であれば迷うことなく利用できるはずです。
低年式の車に乗っていて、Bluetooth化したいと思っている方は、ぜひご検討してみてくださいね。
【総合評価】 | |
製品名 | JAPAN AVE. FM TRANSMITTER JA996 / JA998 |
総合おすすめ度 | 4.2 |
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