ほんの数年前までは、日本国内の加熱式たばこといえばIQOSでした。
現在はBATJ(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン)の「glo」シリーズや、JTの「Ploom」シリーズなどの競合デバイスが充実してきたことで、消費者のニーズに合わせた選択の幅が広がりを見せています。
とはいえ、今もなお地方在住の著者の周りでは、「IQOS 8:その他 2」といった割合で、圧倒的にアイコスユーザーがダントツで多いのもまた事実。
喫煙所内を見てもそれは明白で、『フィリップ モリス社』の調査によれば、“2020年3月現在の直近7日間における全たばこ製品消費量のうち、IQOS専用たばこスティックの割合は、7割以上にものぼる”とのことです。
さすが加熱式たばこ市場に一番乗りしただけに、かねてより根強いファンを獲得しているブランド。
今回はそんな高温加熱型デバイスの代名詞ともいえる、『フィリップ モリス社』の「IQOS(アイコス)3 DUO キット」のレビューをしていきます。
Contents
IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ) インプレッション
言わずもがな、IQOSを知らない人はほとんどいないと思います。
日本においては2014年11月に発売されて以来、世界中で1060万人を超えるユーザーを持つ加熱式たばこです。
発売当初は、転売ヤーも多く価格が高騰し入手困難な時代もありましたが、2021年1月25日についに価格改定され、今回紹介する新製品の「IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ)」含め、安定供給されています。
新価格と旧価格の比較 | ||
デバイス | 新価格 | 旧価格 |
IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ) キット | 6,980円 | 9,980円 |
IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ) ホルダー | 2,980円 | 4,480円 |
IQOS 3 MULTI(アイコス 3 マルチ) キット | 4,980円 | 6,980円 |
IQOS 3(アイコス 3) キット | 5,980円 | 8,980円 |
IQOS 3(アイコス 3) ホルダー | 1,980円 | 2,980円 |
IQOS 2.4PLUS(アイコス 2.4 プラス) キット | 2,990円 | 4,980円 |
IQOS 2.4PLUS(アイコス 2.4 プラス) ホルダー | 1,980円 | 1,980円※価格据え置き |
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「IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ)」は、連続吸いや充電時間短縮といった、ユーザーのフィードバックが生かされた製品となっています。
2019年9月25日(水)から、オンラインで先行販売され、2019年11月5日(火)からは全国のコンビニエンスストアで購入できるようになった本モデル。
ウォームカッパーが廃止され、新たにフロステッド レッドというツートーンカラーが仲間入りし、価格改定もされたことで、さらなる起爆剤となるのか見ものです。
スペック紹介
IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ) | |
ブランド | IQOS(PMJ:フィリップ モリス ジャパン合同会社) |
モデル | ホルダー:A1406 ポケットチャージャー:A1505 |
カラー | ウォームホワイト/ ブリリアントゴールド/ ステラーブルー/ ベルベットグレー ※アクセサリーにて変更可能 |
充電時間 | ホルダー:約1分50秒 ポケットチャージャー(本体):120分 ※1本分は約1分50秒、2本分は約5分15秒 |
連続使用回数 | 2回 |
加熱時間 | 約20秒 |
使用時間 | 約6分間(14パフ) |
サイズ | ホルダー:Φ14.42 x H92.27 ポケットチャージャー(本体):W46.3 x D22.88 x H114.7 |
パッケージ重量 | ホルダー:22g ポケットチャージャー(本体):108g |
※取説・ショップページ・公式サイト・製品仕様から抜粋
製品の特徴・概要
現在IQOSは、2本連続使用可能な「IQOS 3 DUO」と、軽量ポータブルな「IQOS 3 MULTI」、従来の基本性能を搭載した「IQOS 2.4 PLUS」の3ラインナップを展開しています。※『lil HYBRID(リル ハイブリッド™)』やホルダーやアクセサリーを除く
全て高温加熱型のタイプで、他社製にはないIQOS独自のヒートコントロールテクノロジーによる「高温加熱」と「内側加熱方式」を採用しています。
先述の通り「IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ)」は、
- 2本連続使用が可能
- IQOS 2.4 PLUSよりホルダー充電時間を1/2に短縮
- ホルダーの向きを気にすることなく格納・充電が可能なストレスフリーの操作性
などが特徴の製品です。
他にも、ホルダーや本体ドアカバーのカスタムなども当然楽しめます。
米国では販売されていなかったアイコスも、ついにFDA(米国食品医薬品局)の許可が下り、PMJが掲げる「煙のない社会」の実現に向け、「IQOS 3 DUO」をきっかけにさらに躍進していくかもしれませんね。
- 満足度の高い吸いごたえ
- 使用時間6分、充電時間半分、連続喫煙可
- 自由なカスタマイズ
- 堅牢性の低い樹脂筐体
- 加熱型たばこ特有の穀物臭
IQOS(アイコス)3 DUO キット 実機レビュー・評価・感想
今回は提供品にてレビューしていきます。
カラーは、「IQOS(アイコス)3 DUO キット ブリリアントゴールド」です。
化粧箱・パッケージ
化粧箱は、環境に配慮したプラなし仕様。シンプルながらもデザイン、配色共におしゃれに作りこまれています。
梱包資材も全て紙で出来ていて、綺麗にぎっちりと収納されています。
【パッケージ内容】
- ポケットチャージャー(本体) × 1
- ホルダー × 1
- ACパワーアダプター × 1
- USB Type Cケーブル × 1
- クリーニングツール × 1
- クリーニングスティック × 1
- 取説他 × 各1
筐体・デザイン
ポケットチャージャーのボディとホルダーは滑り止めも兼ねているのか、艶消しが施されたマットな質感で、ドアカバーのみ光沢があります。
全体的に樹脂筐体なので堅牢性は低いものの、高級感も適度にあるデザインに仕上がっています。
付属品含め、それぞれじっくり見ていきます。
ポケットチャージャー:A1505
ドアカバーはご覧の通りメッキでかなりギラついていて、かなり指紋が付きやすいため、カスタムにて光沢の少ないメタル仕様にするのもオススメです。
ドアカバーはマグネットで張り付いているだけなので簡単に着脱できます。
各種認証はここに記載されています。たばこ関連のセンシティブなデバイスかつ、世界各国で販売されている製品なので、それぞれの国のルールに準拠させているのが確認できます。
実は、「IQOS 3 DUO」はBluetoothに対応しているため技適も通っています。
技術基準適合証明等を受けた機器の検索 - 総務省 電波利用ホームページ
とはいえ本機能、バージョンは4.1と古く、LINEを経由しないと使えません。
製品登録やバッテリー残量などは把握できますが、現状専用アプリもないため使用頻度はかなり低そうです。
本体上部に物理ボタンがひとつと、インジケーターランプを配置。
ボタンを押すことでバッテリー残量などのステータスを確認できます。
充電用接続端子は、本体下部に配置されています。
もちろん競合のglo hyper(glo Hyper+)やPloom S 2.0同様Type-Cです。
ドアカバーは下の方を押すと開く、「IQOS 3」と同じ仕組みです。
ポケットチャージャーは「IQOS 3」の流用品かと思いきや、「IQOS 3 DUO」専用に刷新されています。
ホルダー:A1406
ホルダーには「IQOS 3」と同様、加熱並びにバッテリー残量確認時に使用するボタンとライトがあります。
「IQOS 3 DUO」の筐体は「IQOS 3」とよく似ていますが、“DUO”の名の通り、LED部分が二つに刷新されています。
ボトムには金属が使用されていて、チャージャー格納時、この接地面にて充電を行います。
リリース当初、“ストレスフリーの操作感 - ホルダーの向きを気にせず格納・充電が可能 - ”という特徴の記載がありましたが、上下逆に収納できるわけではありません。
従来モデル同様、キャップ部分はスライドして着脱出来ます。画像は喫煙後たばこスティックを取り出す際のアイコス定番スタイルです。
また、キャップ部分もチャージャーのドアカバーと同じようにカラーバリエーション豊富なカスタマイズが可能です。
キャップは、さらに引っ張ることで完全に取り外せます。
中に見えている「内側加熱方式」の“ブレード”こそが、アイコスの証。
各種仕様や認証などはホルダーにびっちりと記載されています。
ホルダー、チャージャー共に、マレーシアの工場で生産されているようです。
付属品(アダプター、USBケーブル、クリーニングツール)
アダプタの出力は5V/2A、型番はS21A25。PSEマークももちろん付いています。
クリーニング時に使用するクリーニングツールは、小さいながらもかなり複雑な形状に設計されています。
メンテナンスは基本、クリーニングスティック(綿棒)のみで事足りますが、ホルダー内部をさらにしっかり掃除する際、これを使用します。
綿棒含め、クリーニングツールはオンラインストアで購入可能です。
IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ) 使用感レビュー
本当はたばこスティックの焦げ具合や他社製の焦げ具合の比較なども画像で紹介したかったのですが、今回は提供品(忖度により)につき、割愛しておきます。
3社の中で使い勝手はダントツ
実は著者は、発売当初のモデルを少しの間使用していました。
また、「IQOS 3」や「IQOS 3 MULTI」も、知人に何度か吸わせてもらったりはしていたものの、アイコス自体があまり好きではなく、加熱式たばこなら他社製を好んで使用していた経緯があります(どのデバイスだろうと、そもそも高温加熱型特有の香りが苦手)。
ですが今回使用してみて、その考えが改めされました。
バッテリー残量表示といった機構的な部分は他社製とさほど変わらないものの、ホルダーとチャージャーが分離できることで、
- 喫煙時使い勝手が非常に快適
です。
小型で軽量なのはやはり正義。
低温加熱式のタイプなら、JTには「Ploom TECH」や「Ploom TECH+(with)」といったスティック状で軽量なモデルもあります。
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現在ある程度認知され、市場に出回っている高温加熱式で、かつスティック状となると、インペリアル・タバコの「PULZE(パルズ)」ぐらいのものです。
ですがどうしても一体型だと、バッテリーの重量も加わるため、重量が増してしまいます。
どのデバイスも決して重すぎるということはないものの、IQOS 3 DUOのホルダーに至っては、重量わずか22gと軽量なため、一番“紙巻きに近い感覚”で吸えると思います。
また、著者はチェーンスモーカーではないので連続吸いこそしないものの、チャージャーに入れ忘れたあとでもまた吸えるデュオの機構は、普通に便利に感じました。
曝露量やニオイ、キックは若干弱くなった?
アイコスは巷で、加熱温度が300℃以上と一番高く、吸い応えがいいと言われていました。
ですがそれに反して、「以前より吸い応えが悪くなった」とか、「キックが弱くなった」と、最近はよく見聞きします(実際著者に直接問い合わせが来たこともある)。
著者自身、今回それを改めて感じました。
高温加熱式3デバイス(IQOS、glo、Ploom)の中で、順位をつけるなら、個人的に吸い応えが一番得られるのは「glo Hyper+」で、次に「IQOS 3 DUO」、そして「Ploom S 2.0」です。
3社の吸い殻を並べてみると明白で、内側加熱方式を採用している「IQOS 3 DUO」の焦げ付きが一番少なく、gloはかなり焦げ付きます。
喫煙者サイドから言わせると、吸い応えが弱い分、ヘビースモーカーの喫煙者にとってはマイナスかもしれませんが、個人的にはかなりプラスで、単純に、
- 吸い応えが控えめな分、煙(蒸気)量やニオイが少ない
からです。
もちろん吸い応えがないというわけではなく、そんな中でも満足感は充分得られます。
また、デバイスによる個体差や、たばこスティックの詰まり具合、その日の湿度や保存期間、メンテナンス頻度などにより、多少異なる部分はあるかもしれません。
とはいえ、フィリップモリス社が掲げる「煙のない社会」の実現に向けて、改良を改良を重ねて、今の形になっているとも言えそうです。
気になった点・注意したほうがいい点
高温加熱式特有のニオイが一番周囲に配慮するべきポイントですが、2点ほど気になりました。
- 他社製に比べ割高
- 耐久性への懸念
2021年1月25日より価格改定され、以前より3,000円ほど安くなりましたが、他社製デバイスが6,980円(税込)と未だに割高です。
競合デバイスはいずれもメーカー希望小売価格は3,980円(税込)。PULZEはさらに安価な2,880円(税込)という価格設定です。
またgloに至っては、たびたびキャンペーン価格で1,000円を切ることもあります。
耐久性とも付随しますが、全面樹脂筐体(内部他部分的には金属)かつ、公式レビューの低評価を見ても故障に対する不満を散見します。
つまり価格とのバランスがやや取れていないとも言えます。
もちろん機械である以上、初期不良や経年による故障は当然起こりうることですが、そのための保証だったり、定期的なメンテナンスは必須です。
正直会員登録ありきの延長保証はあまり好きではありませんし、メーカー保証は何もしなくても1年は欲しいところです。
郵送、オンラインと様々な登録方法はあるものの、ある程度お年を召した方々にとっては敷居が高く、郵送でも地味に面倒なので、わざわざやらない人も多いと思います。
たばこ製品である以上、センシティブなのはわかりますが、もう少し簡易的に全面サポートを受けられるようにしてほしいです。
というか(せめてAndroidだけでも)そろそろ公式アプリを作ってほしいわねウホウホ!
あともう一点、これは完全に著者の願望ですが、他社にはアイコス一強をそろそろ打開して欲しいところ。
著者はこれまで様々なデバイスを試しレビューしていますが、他社の方が間違いなくコスパは優れており、IQOSは先行で販売していたこと(ブランド力)以外、正直強みはないと思います。
BATのgloしかり、JTのPloomもとい、PloomXにも期待が高まります。
JT本部はスイスに移してしまいましたが、出来れば正真正銘の国内企業が国内の加熱式たばこ需要を回してくれればと、切に願います。
IQOS 3 DUO(アイコス 3 デュオ) 総合評価
今回ガッツリ「IQOS 3 DUO」を使用してみて、アイコスに対する認識が改めさせられる、いい機会となりました。
日本とイタリアで先行販売され、国内の加熱式タバコのシェアのほとんどを担っているブランドなだけに、「IQOS 3 DUO」にはそのノウハウがたっぷり詰まっています。
使い勝手はもちろんのこと、
- 喫煙者・非喫煙者双方に寄り添ったデバイス
と感じます。
ただし、本人だけではなく周囲においても、有害性や健康被害も否定できません。
また非喫煙者からすれば、有害性うんぬんの前に、煙(蒸気)が少ないといえども、ニオイによる不快感は変わりません。
喫煙者は周囲に配慮しつつ喫煙ライフを楽しみましょう。
紙巻きたばこ移行組や、既に乗り換えてしまったユーザーを、今回の価格改定でどの程度取り込めるか、「IQOS 3 DUO」にその命運がかかっているのかもしれません。
【総合評価】 | |
製品名 | IQOS(アイコス)3 DUO キット |
総合おすすめ度 | 4.0 |
確認
20歳未満の者の喫煙は、法律で禁じられています。
加熱式たばこの煙(蒸気)は、周りの人の健康への悪影響が否定できません。
健康増進法で禁じられている場所では喫煙できません。
加熱式たばこの煙(蒸気)は、発がん性物質や、依存性のあるニコチンが含まれるなど、あなたの健康への悪影響が否定できません。
※本記事はPhilip Morris Japan協力のもと作成
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