※Hohem様よりサンプル提供
アクションカメラやスマートフォン、デジカメ単体でも、手振れ補正機能が充実してきたこともあり、もはやジンバルやスタビライザーは不要、という方も多いのではないでしょうか。
著者も最近アウトドア系の(趣味)動画チャンネルを開設したこともあり、撮影する際はなるべく固定したり、移動の部分は出来るだけカットするなどすれば、別段なくても困っていませんでした。
とはいえ、著者自身も手振れがひどい動画は見る気が失せますし(画面酔いする)、いわずもがなジンバルを使用すれば、プロが撮影したかのようなヌルヌルの動画となります。
当然何をするかにもよりますが、ジンバルは撮影のサポートアイテムとして持っていて損のない製品なのは間違いありません。
そこで今回は、Hohem社製「iSteady Multi 3軸ハンドヘルドジンバル」のレビューをしていきます。
Contents
Hohem iSteady Multi 3軸ハンドヘルドジンバル インプレッション
スタビライザーやジンバルも、市場を見る限りかなり飽和状態になってきました。類似品も多数あり、モーター駆動ではないスタビライザーならほんの数千円から、モーター駆動のジンバルでも1万円前後から手に入ります。
ですが1万円前後で買えるジンバルの場合、ほとんどがスマホ用となっており、他への流用が出来なかったりします。
「Hohem iSteady Multi」の大きな特徴は下記の通り。
- 3in1のマルチジンバル
- 専用アプリ「Hohem Gimbal」によるリモートコントロール
- 複数の撮影モードに対応
- Sonyユーザーに嬉しい互換性
Hohem iSteady Multiはその名の通り、400g以下(未満かも?)のデバイス(コンパクトデジタルカメラ、アクションカメラ、スマートフォンなど)を、マルチに使うことが出来ます。
高級コンデジとして人気のSony RX100シリーズをはじめ、Canon Gシリーズ、パノソニックDMC-LX10のコンデジ、アクションカメラではGoProやSJCAM、スマホはiOS/Android問わずほとんどの機種に互換性があります。
どうせ買うなら色々使えるのが理想的、という方にオススメの製品です。
スペック紹介
Hohem iSteady Multi 3-Axis Stabilizing Gimbal for Compact Degital Camera | |
ブランド | Hohem |
モデル | iSteady Multi |
カラー | ブラック |
材質 | ABS + PC +アルミニウム合金 |
ペイロード(積載量) | 400g |
バッテリー容量 | 3600mAh |
駆動時間 | 8時間 |
充電時間 | 3.5時間 |
サポートデバイス | デジタルカメラ:SONY RX100シリーズ/Canon Gシリーズ/Panosonic DMC-LX10 スマートフォン:iPhone/Android アクションカメラ:GoPro Heroシリーズ/SONY RX0シリーズ/SONY X3000/YI CAM/SJCAM |
レンジ | パン:600° ローリング:320° チルト:320° |
駆動(推奨)温度 | -10〜45℃ |
操作 | トリガーボタン:リセンター/スポーツモード(高速フォロー) スライダー:ズームとフォーカス メインモード パンフォロー:パン&チルトフォロー/オールロック/オールフォロー(POV)/検査モード/スポーツモード(高速フォロー) |
カメラコントロール | 静止画・動画撮影/ズーム※付属のマルチケーブルで接続 |
アプリ機能※概要 | リモートコントロール/スイッチモード/モーションタイムラプス/任意の設定/6面キャリブレーション/リセンター/オンラインファームウェアアップグレード |
サイズ | 約368 x 225 x 8.8 mm |
重量 | 530g(バッテリー含む) |
製品の特徴・概要
スマホのスペック向上とともに、カメラへの興味関心が薄れてきたこともあり、いいなぁとは思いつつもこれまであまり手に取ってこなかったジンバルですが、調べてみると中華系のデバイスが恐ろしいほどリリースされています。
「Hohem Technology Co.,Ltd.(HohemTech) 」というブランドは、ジンバルを主力製品とする2014年に設立されたばかりの比較的新しいブランドです。
AmazonHohemk公式ショップ
そのHohemよりリリースされている"iSteadyシリーズ"のひとつが、今回紹介する「iSteady Multi 3軸ハンドヘルドジンバル」となります。
先述の通り、コンデジ、スマホ、アクションカムの1台3役をこなし、複数のデバイスに対応。他のマルジンバル同様、ズームやフォーカス、追尾はもちろん、600度回転するパンモーターにより、映画さながらのダイナミックな撮影が可能です。
モードは大きく分けて6つ。ベースとなるパンフォロー(PF)、2軸フォロー(PTF)、3軸オールロック(AL)、これに3軸フルフォロー&インセプション(AF)や、スポーツモード、初期設定時のキャリブレーションモードなど、出来ることは多岐に渡ります。
被写体が早いスポーツモード(クイックトランジション)では、モーター出力を上げることで対応する動きにすばやく反応。しっかりと追尾してくれ、編集せずともトランジション効果まで作成できます。
著者は昔のCyber-shot以降、ソニーには縁がありませんが、Sonyユーザーにこそ本製品を使う意義がありそうです。
専用マルチケーブルにて、互換機種はRX100シリーズ、RX0シリーズ、X3000シリーズといった多くのデバイスに対応。さらに、CannonのGシリーズや、PanasonicのDMC-LX10(LX9)との互換性もあります。
Bluetooth接続によるアプリ連動となっているので、iPhoneや各種Androidなどのスマートフォンとの相性もバツグン。
現状、専用アプリ「Hohem Gimbal」のアプリ評価はあまり良くないものの、細かい設定やモード変更はもちろん、デジタル機器らしくオンラインでのファームウェアアップグレードにも対応しています。
それによって、常に最新の状態を保てるだけではなく、ロール角のトリム、速度フォロー、モータートルク設定、デッドエリアフォロー、ジョイスティック方向設定などといった、6つのキャリブレーションがアプリにて行えます。
他社のジンバルとの差別化がいかに出来ているかがカギですが、レビューの前に先に言ってしまうと、価格・性能面共に全く問題ありません。というかむしろ、コスパ高めです。
マルチジンバルを探していた、なんて方は是非チェックしてみて下さいね。
- 1台3役マルチスタビライザー
- 様々な撮影モードに対応
- 専用アプリで常に最新に保てる
- 長時間撮影だと重い
- 防滴対応ですらない
AmazonHohemk公式ショップ
Hohem 3軸ハンドヘルドジンバル(iSteady Multi) 実機レビュー・評価・感想
化粧箱・パッケージ
パッケージは、白ベースでシンプルなデザインとなっています。外装は英語のみですが、国内外問わず流用できるのでメーカーとしては賢い選択ですね。
少しわかりづらいですが、日本市場向けにPSEや技適マークもバッチリ記載。好感が持てます。※後ほどもう少し詳しく解説します
かなり大きめでコンパクトとは言えないものの、一式丸々収納できるキャリーケースに収められています。
【パッケージ内容】
-
iSteady Multi本体 *1
-
三脚 *1
-
クイックリリースプレート *1
-
スマートフォンホルダー *1
-
SONYマルチカメラコントロールケーブル *1
-
マイクロUSB充電ケーブル *1
-
キャリーケース *1
- 蝶ネジ *2※逆さになっちゃってます
- 6角棒レンチ *1
-
取扱説明書(ギフトカード) * 各1
ユーザーガイドは、英語、中国語、日本語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、スペイン語のマルチリンガル対応です。
筐体・デザイン
決して頑丈とは言えないものの、キャリーケースにすっぽり収まります。
グラつくというほどではありませんが、ガッチリ固定はされていないので、持ち運び方によって(ケーブル類は特に)中で散乱します。
センターの大きな丸い部分がジョイスティックのようになっていて、上下(チルト)左右(パン)操作。TとWが記載されているスライダでズームイン/アウト、小さい黒丸のボタンがモード切り替え、朱点のボタンが電源ならびにシャッターボタンとなります。
また、ジョイスティック両サイドにBluetooth接続確認ライト(左:青色に点灯)、動作モード確認ライト(右:モードにあわせて緑色に点灯)が配置されています。
因みに、グリップ部分にバッテリーは内蔵されているため、バッテリーの取り外しは出来ません。
撮影時、シャッターボタンワンタップで静止画、ダブルタップで録画です。
ファンクションボタン背面に、トリガーボタンを配置。このトリガーボタンを押すことで、スポーツモードとなり、ダブルタップで中央揃えが出来ます。
グリップ側面には、上から1/4ネジ、DC-OUT(USB Type-A)とDC-IN(microUSB)の各種充電ポート、反対の側面にはバッテリー残量を示す、バッテリーインジケーターランプが配置されています。
microUSBポートは本体充電用、Type-Aからはスマホ等を充電することが可能です。
バッテリー残量はそれぞれ、
- 4LEDオン:残量100%
- 3LEDオン:残量75%
- 2LEDオン:残量50%
- 1LEDオン:残量25%
が目安です。
雲台?部分に、iSteady Multiの刻印と、マルチプラグ接続用のMini USBポート、サイズ・バランス調節用のつまみネジ(赤の部分)を2か所配置。
雲台はクイックリリースが可能で、デバイスを即座に変更可能。付属の蝶ネジを反対側から差し込み固定します。
画像はスマートフォンホルダーを取り付けています。
ボトムには1/4ネジがあり、付属の三脚を使えば独立させることも出来ます。
前述したPSE、技適マークですが、各種認証と共にボトムにも記載。番号もあったのでせっかくなので調べてみました。
photo by 技術基準適合証明等を受けた機器の検索
Bluetooth接続可能な無線機器としてバッチリ認証登録されています。
Hohem iSteady Multi 3軸ハンドヘルドジンバル 使用感
現状Sony製のデジカメが手元にないので、(もう全く使ってない)Nikonのコンデジ:COOLPIX S8200 と中華アクションカメラ:Hawkeye Firefly 8SE、そしてスマホ(Android)での使用感となります。※手に入れば随時更新します
アプリをダウンロードしBluetooth接続
Hohem iSteady Multiでは、上記の「Hohem Gimbal」というアプリを使用します。
インストールが完了したら、あらかじめデバイスはジンバルにセットしておきます。
上の部分持ってたりすると、ごくごくたまに変な挙動するからレンズや画面等傷つけないように注意するウキ!
アプリをインストールしたらスワイプで機器を選択し、接続開始をタップ。
使用するデバイス(スマホ、アクションカメラ、ジンバルいずれか)を選択してタップします。すると、Bluetooth接続ができる機器を検索してくれるので続けてタップ。
これでほぼ初期設定は完了です。
デジカメ・アクションカメラ取り付け時※Sony製以外の機器
もちろんキャリブレーションも出来るんですが、何もせずとも水平を保ってくれています。手間いらずで素晴らしいw
ほんの少し気になったのは、重量があるとやはりモーターがやや熱を持つ印象(特にデジカメ)。
アプリと繋がっていれば、ハンドルでの操作とは別にスマホを介してのリモート操作が可能です。
全ては解説しませんが、バッテリー残量や各モーターの角度状況、タイムラプス、中央揃え、モード選択などスタビライザー+αの機能は網羅されています。
スマートフォン取り付け時
次にスマホの取り付けですが、クイックリリースプレートを取り外し、スマートフォンホルダーを取り付けます。
右側の赤いつまみ(手前)で固定、奧のつまみは押しながら着脱する仕様です。そのため、固定があまかったとしても落下防止機構となっています。
スマホを取り付けると上記のようになります。
地面直置きの場合、本当は三脚を付けた方が安定するんですが、そのままでも一応独立できます。
スマホから見ると、上記のような画面です。※取説と内容が若干異なります。今後もアプデで恐らく多少変更がかかると思います。
左上から、
- バッテリー残量
- ホームへ戻る
- 設定
- インカメラ/アウトカメラ切り替え
- フラッシュ
- カメラ設定
- アルバム
- オブジェクトトラッキング
- 撮影モード選択
そして右上から、
- Bluetooth
- フェイストラッキング
- シャッター
- パノラマ
- モーションタイムラプス
です。
カメラモードと同じく全ては書ききれないので省略しますが、かなり細かく設定可能です。
動画は4Kまで対応。しかしながら30fpsしか選べず。因みに著者のスマホは4K UHD 60fpsまで対応しています。
あくまでもアプリ側の設定なのでそこまで気にする必要はないと思いますが、スマホ側のスペックには依存してくれないようです。スマホのスペックが高くなればなるほど、アプリの改良はまだまだ必要かもしれませんね。
追記:試しにロースぺスマホで使用してみたところ、1920×1080(30fps)が最高品質となっていました。ある程度はスマホに依存するみたいです。
充電/バッテリー残量表示
フル充電するとランプが4つ点灯します(電源ボタンタップで確認)。また、充電中は点滅です。
言い忘れてましたが、ハンドル部分のメイン素材は樹脂、グリップには滑り止め加工が施されています。因みに雲台、モーター部分はアルミ合金でタフに仕上げています。
広告
動画紹介
ジンバルは動画の方がわかりやすいと思います。
連続使用はやや重いかなと思いましたが、かなり使い勝手がいいです。普通におススメ!
気になった点・注意したほうがいい点
全体的にクオリティも充分で、不満点は今のところないものの、いくつか気になった点がありました。
要点だけまとめると下記の通りです。
- 重量がある
- 防水対応ではない
- モーター部分の発熱が気になる
- アプリがいまいち
- (端子が弱い)
それでは、それぞれ見ていきます。
重量がある
上記画像は、クイックリリースプレート、スマホホルダーを装着した状態での重量です。
これに約200gのスマホを装着したら800g。長時間持っての撮影となると、地味に重いです。また、カタログ値での重量は530gで、プレートを外した状態で550gでした。
スマホ専用モデルでも500g近くありますが、500gは切っているようなので、フットワークさを重視したいのであれば同社の「Hohem iSteady Mobile+」も、選択肢としていいかもしれないですね。※評価も上々
防水対応ではない
数多あるジンバルも、防水対応(といっても生活防水程度)のモデルもいくつかあります。
ジンバルを利用するシーンによりますが、アウトドアで使用することの多いアイテムなだけに、ちょっとした防塵や生活防水程度は付いていてもらえると助かります。
アクションカム用に設計された「Hohem iSteady Mobile Pro2」は、防塵こそないもののIPX4(防滴対応)です。
アクティブユーザーにはこちらの方がマッチするかもしれませんね。
モーター部分の発熱が気になる
まだ30分程度しか連続稼働はさせていませんが、カメラの重量があればあるほどモーター部分に負荷がかかるため発熱します。
異常発熱というほどではないものの、さらに長時間使用した場合どうなるのかやや気になりました。
アプリがいまいち
先に少し触れた通り、シンプルで分かりやすいため迷うことはありません。
ですが、まだまだ改良の余地あり。
Bluetoothの接続が安定しなかったり、チュートリアル等皆無なため、シンプルがゆえにカメラ素人には設定画面に入った途端困惑する恐れありです(カメラやジンバル、ガジェットが好きなら問題無し)。
私の端末のせいかもしれないですしAndroidアプリだからかもしれないので、iPhoneには60fpsまで対応しているかもしれません。※情報求む!
端子が弱い
これは完全に私自身のミスですが、雲台部分の接続ポートがmicro USBだと勘違いしていました。
差し込んで引き抜いた際、本体側の端子が破損(上記はその欠片です…)。届いてその日にこれをやってしまい涙。
Hohem iSteady Multi 3軸ハンドヘルドジンバル 総合評価
トータルして使い勝手はかなりいいです。まだまだ使い始めですが手振れ補正のないデバイスで撮影してもヌルヌルの動画が撮影できます。
性能面はほぼ不満ナシ。
筐体やデザインも一切抜かりなく、ネジ穴が2か所あったりグリップに滑り止め加工が施されていたりと、細かい部分までユーザーへの利便性を追及しています。
そして価格も他社よりは安価でハイコストパフォーマンス。消費者にとってはこれがイチバンの魅力です。
一眼にあまり興味が無くなって以来、ジンバルやスタビライザーとは疎遠になっていましたが、改めてジンバル最高です。
是非ご自身で体感してみて下さい。
現在動画編集環境が整っていないので後日動画もアップします。※予定
こうご期待!
動画作りました!上記参照ください。
【総合評価】 | |
製品名 | Hohem iSteady Multi |
総合おすすめ度 | 4.4 |
チビちゃんいる家にもおすすめウキ!
あとがき
カメラ性能の高い(フラッグシップ)スマホとジンバルさえあれば、望遠(ズームもよく効きますし)もうハンディカムいらないですね。
当然何十万もするカメラで撮影した場合との差はでますが、素人目にはそんなのわからないですからね。
ベータや8㎜カメラまわしてた時代が懐かしいですw(私自身はそんなおっさんじゃないですけど、祖父がカメラ好きだったのでw)