「Google Pixel 7a」って本当にコスパ高い?使いやすい?
高評価が多く、いい面ばかり目立つ「Google Pixel 7a」。
しかしながら、実際のところデメリットはないのでしょうか。
筆者はこれまで、iPhoneはもちろんのこと、Androidでは日本国内でも浸透しているHuaweiやOPPO、Xiaomi(シャオミ)、ZTE、ASUSといったメーカーだけでなく、OnePlus(ワンプラス)やUlefone、OUKITEL、UMIDIGI(UMI)、LEAGOO、LeEco(LeTV)、Vido、Blackview、Elephone、MEIZU、Teclastといった様々な中華メーカーのスマホあるいはタブレットも試してきています。
その経験を踏まえ、本記事ではメリットを一切省き、実機をしばらく使用してみて感じたデメリットや不満点についてのみ紹介していきます。
Google Pixel 7aのデメリット
いわずもがな「Google Pixel 7a」は、カメラ性能(6400MP+1300MP/13MP)、SoC(Google Tensor G2)、リフレッシュレート90Hz、ワイヤレス充電、顔認証など、従来のaシリーズから、かなりブラッシュアップされています。
2万円近い価格差のある「Google Pixel 7」ですらも、その差を感じさせないクオリティとスペックです。
とはいえ、使ってみないとわからないことも多々あります。
本章より、筆者の個人的な意見だけではなく、SNS等でも見かけたユーザーの不満点と総合して紹介していきます。
機能面
方々で言われている不満は、
- 極太ベゼル
- 重量(の割に画面小さい)
- ボタン配置(音量ボタンと電源ボタンが逆)
- バッテリー持ち
- 充電時間
- 発熱
- SD不可(128GBのみ)
- ピュアAndroid(とは程遠い独自のUI)
といったところ。
妥協とも言えますが、言ってしまえばこれらは慣れれば気にならなくなるものがほとんどかもしれません。
とはいえ気になるのもまた事実。
それぞれ簡単に見ていきます。
極太ベゼル
極太というと語弊がありますが、エッジディスプレイもといエッジにアール加工が施された曲面ディスプレイ搭載のスマホも記憶に新しく、ベゼル幅を最大限削るというのは成熟期のスマホの宿命とも言えます。
一昔前に比べ、現在はむしろエッジスクリーンは減っている傾向にありますが、Pixel 7aに関しては先代機含めベゼル幅が太い設計です。
事実、明らかに太い。これが本機を安っぽく見せてしまう要因のひとつだと思います。
重量
Pixel 7aの重量は193.5g。
現代のスマホの中では決して重いわけではありません。
ですが持ってみると、ずっしりとした重量を感じます。
また筆者使用の前機種が6.7インチサイズだったため、より一層そう感じてしまうのですが、筐体並びにディスプレイはコンパクトに収まっている割に、厚みがあり重量感があると言わざるを得ません。
さらに皮肉を言えば、重さや分厚さに加え、先述のベゼル幅も相まって(ディスプレイが小さい分大画面液晶に比べ)視認性が悪いと3拍子揃っています。※輝度は充分あります
ボタン配置
同じく前機種と比較してにはなりますが、物理ボタン(音量ボタン、電源ボタン)の配置が逆です。
そのため、ボリュームを変えるつもりがスリープにしてしまった(逆もまた然り)など、押し間違えがしばしば起こります。
筆者の場合、スマホをいくつか使い分けているため、永遠に解消されないポイントになりそうです。
※追記:数か月以上経過していますが未だ慣れず
バッテリー持ち(消耗)
Pixel 7aには、4,385mAhのバッテリーが搭載されています。
結局のところ処理能力や消費電力比によるため、一概に容量での比較は出来ませんが、Androidでは平均的な容量です。
後述もしていますが、体感としてバッテリーの減りは速い印象です。
使用状況としては、健康管理系のアプリなどがバックグランドで常時3つ動いている程度ですが、動画視聴時はもちろん、ブラウジングしているだけでもぐんぐん減っていきます。
完全に使い方とはいえ、筆者の使用環境だと1日はまず持たないため、モバイルバッテリーの携帯が必要不可欠です。
追記:1日持たない
筆者の場合、WiFi、Bluetooth、健康系アプリ3つがバックグラウンドで動いている状態です。
バッテリーセーバーは使わず、最適化に設定していますが、やはり減りが明らかに早いです(同設定他機種との比較で)。
例えば就寝時、他機種であれば1~2%(少なくとも5%以内)程度減るだけだったものが、Pixel7aは10%前後(5%以上は確実に)減ります。
使用時はそれがさらに加速するので、出来るだけ使用を控えたとしても外出先で1日持たせるのはかなり厳しいです。
個体差であって欲しいところですが、1分ごとに1%減るとか明らかなものでもなく、許容できる(したくはないが)微妙なラインで減っていくので恐らくこれが正常なのだと思います。
Pixel 7a…微妙…。というのが現在の心境です。
充電時間
Google Pixel 7aは廉価モデルながら『ワイヤレス充電に対応』なのは非常にありがたい一方、実は10W充電。
純正の充電器を使ってもかなり低速での充電となります。
その上ケース付きともなればさらに低速となり、置き方によっては(ずれていたりなど)1時間放置して数パーセントなんてことも起こり得ます。
因みに、有線なら最大18Wの高速充電に対応してるので、急いでいるときは有線接続推奨です。
この低速使用は、バッテリーの寿命を延ばす(劣化を抑える)ための仕様だと思うようにしています。
追記(結論):バッテリー持ちが悪いのに充電時間は長い
前述(後述)の通り、Pixel7aはバッテリー持ちがイマイチなだけならまだしも、充電時間が長い(ワイヤレスチャージャー使用時)です。
実はこれ、メインスマホで使用ともなれば、結構致命的な欠点です。
出先でブラウジングしたり動画視聴すれば、ぐんぐんバッテリーを消費していくので、充電は頻繁に必要です。
しかしながら、使用を控えたくなるレベルで充電が遅い。
筆者は2台、若しくは3台体制となっているので何とかなっていますが、通勤通学で高負荷なゲームなどで時間をつぶしている場合、不自由を感じる人は多いのではないかと思います。
もしかしたらバッテリー持ちに加えここ(バッテリー関連)が現状で言える、一番のデメリットかもしれません。
発熱
Google Pixel 7aで一時期あった発熱の問題。
既に解消済みではあるものの、バッテリー持ちにも付随しますが、体感として負荷がかかるとそれなりに発熱する印象です。
真夏に使用する際は少しいたわった使い方をした方がいいような気もします。
追記:やはり熱い…
時期的なものもあろうかと思いますが、ポケットに入れておくとかなり熱を感じます。
また屋外で使用するとすぐに「端末の温度が上昇しています」的な警告が出ます。
不可はあまりかかっていない環境下でもやたらと表示されるので、屋外では使うに使えないことが多々あります。
SD不可
Androidのメリットはストレージ容量の拡張です。
ですが、Pixel 7aは不可。
128GB一択しかなく、SDカードにてストレージに余裕を持たせたくてもそれができません。
Apple同様サブスクで囲いたい気持ちはわかりますが、クラウド保存以外現実的な保存方法がなく、価格が上乗せされたとしても廉価モデルにも256GBの選択肢を与えて欲しいです。
ピュアAndroid(とは程遠い独自のUI)
この中でも個人的に特に戸惑ったのは、素のAndroidもといPixel launcherの使いにくさです。
厳密に言えば、使いにくいというほどのことではありませんが、Google独自のUIなのでクセが強いです。もう少し踏み込んで言えば自由度が低く、他のランチャーアプリに比べカスタマイズが出来ないのは地味に使い勝手が悪いです。
ナビゲーションバー非表示不可、通知センターでのSIM切り替え不可、アプリごとの音量調節不可、カメラ消音不可、最大輝度低めなどシステム上の正直細かい部分を挙げればまだまだあります。
ですが先に挙げた不満点含め、多くの場合他ブランドでも発生しうる微々たるものとも言えるかもしれません。
おまけ:VPNよりGoogleフォト容量無制限アップロードを…
Google Pixel 7aには、通常サブスク利用(Googleのストレージサービス「Google One」に加入)でしか使えない、「VPN:Virtual Private Network (仮想プライベートネットワーク)」接続が、無料で使用可能です。
現代はネットワーク上のセキュリティ対策は必須。非常にありがたい機能ではあるものの、廃止となってしまった「Googleフォト容量無制限アップロード」の方が個人的には助かります。
前述の通り、本機のストレージ容量は一択。
128GBでは全くもって心もとないので、買い切りで済む何かしらの対策をぜひお願いしたいところです。
追記:VPNが頻繁に接続不可となる
VPN接続はありがたい機能ではあるものの、VPN常時接続にしておくと頻繁に接続不可となります。
一旦接続解除して再接続することで復旧できますが、その作業が地味に面倒なため、最近はVPN接続をしなくなりました…。
カメラ機能
Google Pixel 7aのカメラ性能は優秀で、ナイトモードやパノラマ、ポートレートや長時間露光のほか、4K対応など静止画のみならず動画含め普段使いの撮影には事欠きません。
撮って出しで充分なクオリティです。
また「消しゴムマジック」や「ボケ補正」といった独自機能も標準搭載しているのも周知の事実。
これらはサブスク利用すれば、Google Photo内にて比較的どの端末でも使える(編集可能な)機能ではあるものの、Pixel 7aのカメラアプリ並びに編集機能は、同社上位機種と遜色ありません。
ただ使ってみて感じましたが、ズームは倍率をあげればあげるほど粗さが目立つ印象で、2倍ズームでさえも被写体や環境によってはノイズが入りやすいです。
また目玉機能のひとつの「消しゴムマジック」は、消せないものは当然ありますし、消せたとしても絵の具で塗りつぶしたようなひどい仕上がりの場合も多々あります。
静止画、動画ともに様々なモード、手振れ補正といった基本性能はかなり優秀ですが、廉価モデルということを念頭に置きつつ、プラスアルファ機能はあくまでもプラスアルファ機能として使うのがよさそうです。
※手持ちでも充分きれいに撮影できますが、ジンバルがあれば尚安心。
追追記:内臓スピーカーの音質は好みが分かれる
個人的に少し気になったので追記しておきたいのが、内臓スピーカーの音質についてです。
本機はステレオスピーカーとのことで、確かに同価格帯のスマホと比べ(廉価モデルということを加味すれば)クリアな音質で情報量はあると思いますが、正直そこまで優れているかというと甚だ疑問です。
音質は聴き手次第の部分が大きいため、好みが特に分かれます。ただPixel 7aは上位機種に搭載されている空間オーディオにも対応していないため、過度な期待は禁物であるということも付け加えておきます。
コスト面
低価格帯のaシリーズでも安くはない
Pixel aシリーズは、Google Pixelの中の言わずと知れた廉価モデル。
同社上位モデルと比べ、様々な部分でコストカットされているものの、それを感じさせないクオリティです。
ですが、それでも買い渋りたくなる程度には充分値が張ります(と思うのは私だけでしょうか)。
Pixelは、Google本家の端末ということもあり、Android版iPhoneの座を狙っているのは容易に想像できます。
というかPixelに限らず、Googleストア内のIoT関連の商品群を見ても、打倒Apple(あるいはAmazon)なのは一目瞭然。
iPhoneからの移行なら安く感じるかもしれませんが、中華スマホに比べればそこまで安くはなく、ガジェットにある程度精通している人からすれば、選択肢として決してコストパフォーマンスが高いとも言い切れません。
またミッドレンジと謳われてはいるものの、ハイエンドに迫るスペックということもあり、一般的なミッドレンジ帯と比べるとやや割高でオーバースペック感は否めません。
実質○○円と言われても…
こちらに関しては、正直製品にはあまり関係のないことです。
レビュアーの中には『ストアクレジットが付くから』『YouTube Premiumが1年無料だから』『ケースが付くから』「実質○○円!」と勧めています。
あながち間違いではありませんが、
- 今後Googleストアを使う可能性が低い
- YouTube一切見ない(もしくは広告気にならない&オフラインやバックグラウンド再生使わない)
- ケースいらない(もしくは買い替える)
といった人なら、有難迷惑もいいところ。
単純にこの分の金額を現金割引してくれた方がずっと助かります。
というか筆者もその方がいいですし共感者はきっといるハズ。
確かにありがたいキャンペーンではあるものの、実質○○円にはやや違和感を抱きます。
また、キャリアの常とう手段『端末購入プログラム(48カ月など長期間の分割払いで購入し、その途中(25カ月目など)に端末を返却すると残債の支払いが不要になるもの)』で購入した場合も実質○○円と言われたりもしますが、同じく違和感しかありません。
広告
Google Pixel 7aのデメリットまとめ
ざっと述べていきましたが、こうしてみると不満だらけ…な気もしなくはありません。
ですが多くのユーザーは例え不満点があったとしても、そこまで不満を感じていないと思います。筆者自身も満足度はそれなりで、まとまりもよく万人受けするのも納得。どのブランドでも何かしらの不満は出てくるものです。
ただその分、目新しさがそこまでないのもまた事実。
カメラ性能含め個人的にはなんだかんだ言いつつもフラッグシップ機には届かない中の上。同社上位機種とは明確に差別化されており、上位機種や他社のハイエンド機所有なら、総合的に見てサブ機が妥当といった印象です。
Pixelの業界参入は、どちらかといえば黎明期というより成熟期、やや遅れての参入でした。
これまで各社がしのぎを削り、工夫を凝らしながらブラッシュアップし続けた結果が“今のカタチ”とも言えます。
Pixel 7aも巷で騒がれてる一方、いざ触ってみると「まぁ、こんなもんだよね」程度。
Google PixelならではのAI系機能もしっかり搭載されており完成度は高いものの、言葉を選ばずに言えば“無難”なスマホで新鮮味は希薄です。
売れるのも、圧倒的なブランド力があるからこそとも言えます。
今更オリジナリティを出すのは難しいですし、汎用的であることが重要なのはわかりますが、高いブランド力があるGoogleだからこそ、AIのみならずユーザーがもっともっと驚くような、後出しならではの唯一無二のユーザー体験を追求して欲しいです。
※しばらく使用してみての感想は、性能面の満足度は高いもののやはりバッテリー持ちが悪すぎ。トータルバランスは優れているので過度な期待をせず「こんなもんだよね」を許容できるかできないかが分かれ目だと思います。とはいえバランスが優れた機種は他にもあります。良くも悪くもこだわりが無ければ選んでも失敗は少なく、逆に選ばなかったとしてもそこまで固執する必要はない端末という結論です。
▼こちらもチェック