現在、中華製格安ゲーミングチェアもラインナップが豊富で、節約しつつデスク環境を整えたい人にとっては充分選択肢のひとつとなりうると思います。
今回は『GTRACING』発ファブリック地のゲーミングチェアこと「GTPLAYER LR002」をレビューしていきます。
Contents
GTRACING LR002 インプレッション
格安ゲーミングチェアの中で、認知度も高く人気を博しているのが「GTRACING」と「Dowinx(ドゥウィンクス)」。
少し前まではファブリック地のモデルといえば「Dowinx」(の方が豊富)といった印象でしたが、現在はラインナップも増え両社とも価格帯から製品群もよく似ているため、迷ってしまうこともあるかもしれません。
ただどちらを選んでも後悔はないと思いますし、価格以上のクオリティなのは言うまでもありません。
今回の「LR002」は、GTRACING(GTPLAYER)のフットレストシリーズの中のひとつで、生地はファブリック、座面フラット、オットマン付きのモデルです。
ショップ内の購入者レビュー(高評価多数)はあるものの、動画もテキストも国内においては詳細レビューがほとんど見当たらなかったので、実際の使用感含め本メディアにて紹介していきます。
端的に言って
- QOL爆上がりのソファライクな快適性のゲーミングチェア
です。
いわゆるレーシングシートのような包み込むホールド感や、ゲーミングチェアっぽいいかにもなカラー、質感(PUレザー)が苦手な人にはおすすめできるデスクチェアです。
- 落ち着き感のあるカラーデザイン
- 通気性が考慮されたキルティング加工
- あぐらがしやすい高反発フラット座面
- 部分的に不安感のある作り
- 蒸れやすい(冬に最適)
スペック紹介
GTRACING(GTPLAYER) LR002 | |
モデル | LR002 |
カラー | GRAY /BLACK /LIGHT BLUE /BLUE |
---|---|
リクライニング角度 | 90°~140° |
ポケットコイル | 40個内臓 |
バック幅 | 56.5cm |
バック長さ | 82.5cm |
座面幅 | 51cm |
座面調整範囲 | 42~52cm |
シート幅(座面) | 47cm※背もたれ含まず |
ベース | 直径66cm※キャスター含む |
推奨身長 | 150cm-180cm※最大190cm |
推奨体重 | 40kg-80kg※最大136kg |
重量 | 19kg |
※取説・ショップページ・公式サイトから抜粋
GTPLAYER LR002 実機レビュー
配送は1名で持ってきました。重量約20kgなので一般男性なら運べる重量です。
筆者自身も2階まで一人で担げたので重量を心配する必要はそれほどありませんが、腕力に自信がない女性やお年寄りは2名体制の方がいいかもしれません。
また筆者の個体は金具部分が梱包を突き破ってむき出しになっている部分があったので、同様の場合運ぶ際はご注意ください。
化粧箱・パッケージ
梱包はそこそこ手厚いものの、隙間部分への緩衝材がないため配送時中身が多少動きます。
そのため(バックシートひじ掛け取付部分の)金具がむき出しており、梱包を突き破っていました。
製品自体に損傷はなく、かつ見えない部分のため問題なし。
パーツによって明らかに年季の入った流用在庫品(梱包が黄ばんで砂埃が付着)というものもありましたが、それぞれパーツごとに梱包が施されています。
※通常はパッケージ内容を1点1点記載しますが、ボルトまで含めると細かくなりすぎるので割愛します。
作業用の軍手も同梱されています。
ただしペラペラの薄手仕様のためかえって滑ります。指紋等つけたくなければ自分でグローブを用意しておくのがおすすめ
取説は完全日本語対応。QRコード読み込みで動画も確認できます。
組み立て(筐体・デザイン)
まずはベースから。
5か所にそれぞれフレームを付けて行きます。
ちなみにベースもフレームも金属製(スチール?)です。
筆者的にここが購入の決め手となったといっても過言ではありません。
国内でのレビューが少なかったので海外のレビューをいくつか見たところ、かつての本モデルのレッグパーツは樹脂を採用しているようでした。
樹脂の方が軽量化には期待できるものの、見た目の安っぽさ、加えて耐久性や経年劣化も気になっていたので個人的には高(好)ポイントです。
キャスターは凡庸品。公式では静音キャスターとなっていますが別のものです。
シリンダーは公称によれば認証合格品と記載されているので、同じものであることを期待します。
レッグフレームは角ばっておらず艶消しとなっているため、安っぽくなく上品な仕上がりです。
脚が出来上がったら次は座面です。
ブルーのステッチの仕上がりが派手過ぎず上品で、ちょうど臀部があたる部分には通気性確保のためのキルティング加工が施されています。
座面はファブックとなっているものの上々の質感。糸や繊維等を織り込んだ生地ではなく、フェイクレザーに極短の毛をまとった1枚布といった印象。
何とも表現しづらいですが、毛の短いベルベットのようなサラフワ質感で、(冬に)ほおずりしたくなる肌触りのいい感触です。
座面反対側にシリンダー固定台、オットマンレールを取り付けていきます。
オットマンレールのネジ穴が縦横あるため、もしかしたら上下あるのかもしれません。
しかし公式の組み立て動画にも詳しい解説はありませんでした。
恐らくどちらでも問題はないとはおもいますが、念のため左右揃えて装着しています。
座面をレッグフレームに連結させると画像の通り。
座面はほぼフラットで、バックシート側にほんの少し傾斜がついています。
バックシートの取付金具は4か所のボルトで固定。座面側も同じく4か所で固定します。
金具取り付け向き間違い防止のためのシールがあるだけでも、メーカー側の細かい配慮がうかがえます。
またボルトや金具を隠せるようマジックテープ式の布地が切り抜かれているのはありがたい反面、布地と本体側のマジックテープ位置がかなりずれています。
画像の通りピッタリ合いません。
加えて布地切り抜き箇所もセンター(金具固定位置)から少しずれているところを見ると、やや作りの甘さを指摘せざるをえません。
バックシートは包みこむような形状で側面は硬さがあり、背中設置面はソフトで座面と同じくキルティング加工が施されています。
因みに背もたれを装着すると有効シート幅は5cm以上縮小されます。
アームレストことひじ掛けは2か所のボルトで固定。カバーも付属しているので目隠しできます。
またリクライニング角度に応じてのみ上下前後連動する仕様のため、位置は原則固定となります。
ひじ掛けの質感は座面や背もたれ同様サラフワでクッション性もあります。
ヘッドレストはさらに柔らかい触感です。
人によって装着方法は異なるかもしれませんが、通常使いでサイズや高さもちょうどいいバランス。
ランバーサポートは程よい硬さがあり腰を支えてくれそうではあるものの、やや小ぶりな印象です。
最後に座面下に取り付けたオットマンレールにオットマンを取り付ければ完成です。
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GTPLAYER LR002 使用感・評価・感想
リクライニングでくつろぎの空間
いわずもがな、140°もリクライニング角度があるのでかなりくつろげます。
オットマン未使用でも充分ぐったりできますが、ロッキング機能が備わっていない分安定性があり、オットマンを引き出すことでさらに快適性を確保できます。
またリクライニング時ひじ掛けが背もたれの角度に合わせて後方に連動してくれるだけでなく、そもそもの形状が前方向に緩やかに下がっていることで自然な体勢で横たわれます。
各部肌触りのいいソフトな質感に仕上がっているので、そこらのソファに座るよりずっと快適に過ごせます。
充分快適でQOLが上がったのは間違いないものの、とはいえ
- ひじ掛けの高さや位置がふとした時に気になる
- ランバーサポートが小ぶりで腰の支えがやや弱め
更に気になった点は後述するとして、思いのほかひじ掛けが重要なことに気が付きました。
4Dとまではいかなくとも、90°で使用時ふとした時に低さを感じるので高さ調節機構が備わるだけでも個人的には最高だと思います。
またランバーサポートについてですが筆者は重度のヘルニア持ちのため、腰の支えが必要以上に必要なため、より顕著に感じます。
通気性より質感とデザインこそ正義
ファブリックだから通気性がいいということはなく、正直蒸れます。通気性はあきらめましょう。
本当の意味での通気性を求めるなら、メッシュ地一択です。
同価格帯のフェイクレザーモデルより、夏場はむしろ暑いとも言えるかもしれません。
ですがそれを犠牲にしてもいいと思えるぐらい肌触りが良いので、その質感をぜひ試して欲しいところです(PUレザーでも同じことが言えますがクーラーガンガンの部屋で使えば夏でも最高)。
またカラーバリエーションもいくつかありますが、どのカラーも落ち着きある上品な仕上がりとなっているため、インテリアにも溶け込みやすく邪魔をしないと思います。
オフィスチェア、デスクチェア、ゲーミングチェアといった一般的な使い方だけでなく、ダイニング用やリビング用の快適な椅子として日常使いするのもよさそうです。
気になった点・注意したほうがいい点
前述のアームレスト原則位置が固定されていること、ランバーサポートの大きさが微妙に小さいことに加え、少し気になった点を紹介しておきます。
まず1点目。本個体はリクライニング回数によって右ひじ掛けのボルトが緩んできます。
個人的にはさほど苦ではないものの、明らかにグラつく場合は定期的に締め直す必要があります。
恐らく可動域だからだと思いますが、個体によっては別の箇所のボルトが緩むなんてことももしかしたらあるかもしれません。
そしてもう1点はオットマンレールからの抜け防止ボルトです。
右側1本だけなのでやや心もとない印象です。
力いっぱい引っ張るものではないので、この仕様で充分とも言えますが、さほど加工も難しくはないはずですしパーツもボルト1本増えるだけ。
左右にあったほうが安定するのではと思った次第です。
そして最後にもう1点。
体格によって良し悪しが変わってくることなので一概には言えませんが、高さ調節と(特に)リクライニング調節レバーの位置が若干遠いような気もします。
椅子の構造上仕方のないことだとは思いつつも、手が短かったり小柄だったりすると少し大変かなとも思います。
同じく体格に関することで、筆者は90°の状態でもあぐらは可能なので座面の広さは充分だと思いますが、決して余裕があるとはいえません。
恰幅のいい方だと少し狭く感じるかもしれません。
GTPLAYER LR002 総合評価
先述の通り筆者はヘルニア持ち。長時間椅子に座っているとどうしても腰に来てしまうため、数年前から椅子に座ることをやめ、スタンディングでの作業をメインとしていました。
スタンディングも集中力を保ちやすいので、使い分けていこうと思ってはいるものの、本チェアのリクライニング機能のおかげで、今後は座りっぱなしが増えてしまいそうです。
友人宅で桁がひとつ違うオカムラのオフィスチェアを何度か試させてもらったときも、感動こそしたものの正直なところ筆者には手を出すほどの価値は見出せませんでした。
クオリティと価格のバランスで見ると、本モデルはそれ以上の感動です(質感がとにかく好みです。単に感覚が貧乏性かつ庶民なんだと思います…)。
少なくとも筆者の個体には糸のほつれ、傷等は見当たらず品質も担保されています。耐久性がどの程度かはわかりませんが、ファーストインプレッションとしては最高です。
以降変化があれば追記していきます。
【総合評価】 | |
製品名 | 【GTRACING】GTPLAYER LR002 |
総合おすすめ度 | 4.7 |