※メーカーよりサンプル提供
これまでも随分お世話になっている中華音響メーカーのCOUMIより、5,000円以下の低価格無線ヘッドホン「COUMI M10(BT-350 )」をご提供いただきました。
本機は、低価格ながらApt-XHDに対応、50時間連続再生といった、これまでのイヤホン同様汎用性の高いモデルとなっています。
今回はそんなワイヤレスヘッドホン「COUMI M10(BT-350 )」のレビューをしていきます。
Contents
COUMI COUMI M10 ワイヤレス ヘッドホン BT-350 インプレッション
これまでもCOUMIブランドを実際に使ってきて感じるのは、全体的なクオリティはまとまっているのに、競合他社と差別化できるほどの魅力は持ち合わせておらず、“あと一歩”なものが多いという印象。
今回こそは無条件に高評価、といきたいところですが、数多ある廉価ヘッドホンのひとつという感想です。
正直この点は本機に限らずで、飽和状態の市場において同価格帯、類似スペックの商材同士では大きな差はありません。
逆に言えば、どれを選んでも一定水準以上のクオリティは担保されており、価格的に言えば充分高音質で、それなりに使えます。
そして個人的に本製品の一番評価したいポイントは、
- 側圧が弱めで長時間使用でも疲れにくい
ところです。
これまでもハイレゾ対応やモニタリング用途向けなど、様々なヘッドホンを使用してきているものの、遮音性が高いと、どうしても側圧が強かったり、耳周りの蒸れが気になって、長時間使用が嫌になります。
著者同様圧迫感が苦手で、側圧低めなヘッドホンが好みなら、「COUMI M10(BT-350 )」はお勧めできます。
ヘッドホンならではの大口径ドライバーによる音質はもちろん、CVC8.0、ほぼ遅延なし、長時間再生など、欲しい技術はしっかりと詰まった「COUMI M10(BT-350 )」をぜひチェックしてみてください。
スペック紹介
COUMI M10 ワイヤレスヘッドホン | |
モデル | M10(BT-350) |
カラー | ブラック |
装着方式 | オンイヤー(密閉)型 |
ドライバー | φ40mm ダイナミック型ドライバー |
通信方式 | AYX(3.5mmオーディオケーブル)/Bluetooth |
Bluetooth チップ | QCC3034 |
Bluetooth ver. | 5.0 |
通信範囲 | 10m |
連続使用時間 | 最大50h |
待機時間 | 400h |
充電時間 | 2h |
バッテリー容量 | 720mAh |
インピーダンス | 32Ω |
対応プロファイル | AAC/apt-x HD/apt-x/A2DP/AVRCP/HFP/HSP |
伝送帯域(A2DP) | 20Hz - 20,000Hz |
プラグ直径 | 3.5mm |
重量 | 約265g※実測値 |
※取説・ショップページ・公式サイト・製品仕様から抜粋
製品の特徴・概要
著者はレビューや評価はその人の意見に引っ張られてしまうためあまり見ることはありませんが、海外での販売実績は必ずチェックするようにしています。
しかしながらどうやら本製品は、海外では販売されておらず、日本国内先行販売(評価次第では日本以外で売らないかも?)っぽいです。※あくまでも本記事作成時点です。違ったらすみません。
何度かお伝えしている通り、「COUMI M10(BT-350 )」は、
- 最大50時間連続再生可能
- Apt-XHD対応(QCC3034チップ搭載)
- 通話用ノイズキャンセリング(CVC8.0)対応
- COUMI専用カスタムEQアプリ対応
などが魅力のモデルです。
過去にレビューした、「Mpow H20」とほとんど同スペックとなります。
上記モデルとの簡易比較は本記事末尾に記載するとして、同等スペックながらさらに安価な「COUMI M10(BT-350 )」。手軽に使える一台として検討してみてはいかがでしょうか。
- 低価格低遅延長時間のワイヤレスヘッドホン
- ワイヤード・ワイヤレスどちらも対応
- かなりソフトで疲労感の少ない付け心地
- ややチープな印象を与えるデザイン
- 高音域が強めでやや刺さり気味(低音控えめ)
COUMI M10 ワイヤレス ヘッドホン BT-350 実機レビュー・評価・感想
全体的にはよくできていると思います。
樹脂筐体のチープさをカバーするほどのデザインではないものの、これまでのモデル同様完成度は高く、実用性も充分あります。
では、まずは筐体からです。
化粧箱・パッケージ
直近の同社イヤホンはブラック基調の化粧箱が多かったですが、「COUMI M10(BT-350 )」は白基調。
前面にはゴールドをあしらうなど、安っぽさのないデザインに仕上げています。
廉価モデルはソフトケース同梱のものが多い中、化粧箱の中には薄型ハードシェルタイプのケース。
そしてこの中に全て同梱されています。
かさばることの多いヘッドホンなだけに薄型のケースに収納できるのは地味にありがたいですね。
【パッケージ内容】
- COUMI M10(BT-350 ) × 1
- 3.5mmオーディオケーブル × 1
- USBケーブル(Type C) × 1
- 取扱説明書、サンクスカード他 × 各1
ハウジング部分にメッキのデザインが施されており、固定金具の目隠しとなっているのでしょうか。
正直このわざとらしい光沢のある装飾、そして左右間違いはないもののハウジング上部にしっかりと印字されたL/Rが、ややチープに見えてしまいます。
ファンクションはハウジング右側に集約。
センターの▼が電源ボタン、±で音量調節や早送り/巻き戻し、その隣にAUXポート、画面には映ってませんが、ペアリングや充電確認用のLED、USBポート、マイクが配置されています。
基本操作は他者モデル同様3つのボタンを使用し、単押し長押し、2回押しなどで様々な操作が可能です。
因みに、電源OFFの状態でも有線接続ならそのまま使える仕様です。
イヤーパッドはソフトで柔らかめのウレタン。
合皮なので耐久性はそれなりだと思いますが、バッフル部分とのつなぎ目も雑さはなくしっかりと作りこまれています。
アームの回転は約90°。ハウジングも顔の形状に合わせて動いてくれるので、フィット感は良好そうです。
アームは回転だけでなく折り曲げも可能。ケースに入れずに持ち運ぶ場合もコンパクトに携帯できます。
スライダーは左右充分調整幅があり、顔の形に合わせて調整できます。
ただ少し残念なのが、モデル番号などが印字ではなくシールで貼られていることもあり、この部分もチープさを助長しています。
ヘッドバンド上側は金属製のため、ある程度耐久性は確保されています。
また、頭頂部にあたる部分にも、イヤーパッドと同じ質感のウレタンを用いており、長時間使用の疲労軽減に役立ってくれそうです。
重量は実測で265g。
イヤホン派の人など、ヘッドホンをあまりしない人にとっては重量感を感じるかもしれませんが、バッテリー内蔵の無線イヤホンということを加味すれば十分軽量に仕上げてくれています。
COUMI M10 ワイヤレス ヘッドホン BT-350 使用感レビュー
aptX HDコーデックとカスタムEQアプリで高音質かつ好みの音質に
aptX HDコーデックといえども、当然ハイレゾ音源ではないため有線などに比べて音の劣化はあるものの、画像(左)の通りバッチリ対応しています。
加えて、以前紹介した「COUMI TWS-834A」や「TWS-817A(アップグレード版)」、「TWS-817K」などにも搭載されていた、COUMIのEQ(イコライザー)アプリにももちろん対応。
アプリに関してはまだまだ改良は必要な部分が多く、利用者を選ぶと思います。
とはいえ、選曲に応じて音域を変化させるのも楽しいかもしれませんね。
圧迫感がなく側圧低めでソフトな触感
冒頭にも述べましたが、「COUMI M10」で一番評価したいポイントはここです。
オンイヤーの特性上、遮音性を高めるのは当然のことながら、その代償として気になるのが蒸れ。開放型をチョイスしても正直蒸れます。
本製品も密閉型のため、当然蒸れてきますが、ハウジング上部に刻み加工が施されていて、蒸れ対策できています。
さらに、側圧の弱さ。
人によっては側圧が低いせいで遮音性が低いというかもしれませんが、決して低いわけではありません。
圧迫感が少ないだけではなくソフトな触感なので、長時間の装着でも比較的快適に使用できます。
高音域重視のクリアな音質
Bluetooth5.0、そしてコーデックの恩恵か、遅延はほとんどなくある程度混雑していても接続は安定しており、それぞれの音域のまとまりもよくクリアに聴こえます。
どちらかというと高音域重視で、やや乾き気味な印象。人によっては少し刺さるかもしれませんが、個人的には問題なし。
高音がはっきりしてる分低音は抑え目で、著者含めおそらく重低音好きはやや物足りなさを感じます。
しかしながらまったく聴こえないというわけではなく、日常的にYouTubeなどの動画視聴やポップスなどを中心に幅広く音楽を聴くタイプの人は比較的使いやすいモデルではないかと思います。
リモートワーク含め、通話にも何度か使用しましたが、通話品質も良好で特に問題なく使用できています。
※確認!
音質はデバイスの搭載チップや使用している音楽ソフト、イコライザーなど、環境、端末によって異なります。また、デバイスとの相性や聴くジャンル、聴き手の好みにも左右されます。
当サイトでは、複数の端末でチェックしていますが、エージングまではしていません。2~3時間程度の視聴ですので、あらかじめご了承ください。(しばらく使って変化があれば追記します!)
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Mpow H20との簡易比較
2019年「Red Dot Design Award」を受賞した、ほぼ同価格帯、類似スペックの「Mpow H20」と比較をしてみました。
次章でももう少し解説しますが、個人的には低音をはっきり表現してくれる「Mpow H20」の方が音質は好みです。
ただ接続デバイスによってはさほどその差が感じられず、「COUMI M10」の価格次第では甲乙つけがたいと思いました。
デザインに関しては、デザイン賞を受賞しているだけあって、Mpowの方が断然洗練されています。
気になった点・注意したほうがいい点
気になったのは1点。
ペアリングするデバイスによって、大きく差が出る
ように感じます。
使用PC(Dell XPS 13 2-in-1 [7390])がaptX HDに対応しているのかは不明ですが、PCでペアリングすると「COUMI M10」の方がクリアで心地いい音質です。
ですが、aptX HDコーデック対応デバイス(スマホ)で聴くと明らかに音圧の差が顕著になり、「Mpow H20」の方が全音域鮮明です。
こもるような音質ではないものの、廉価モデルなので当然ですが、臨場感はあまりないため、案外SBCコーデックに最適なモデルなのかもしれません。(PCがSBCかは不明)
加えて、曲によって「あれ…?…寒色過ぎでは…?」と思うこともあり、快適かと思えば“?”と感じることもあり、使用環境や使用者で大きく分かれそうなモデルです。
COUMI M10 ワイヤレス ヘッドホン BT-350 総合評価
デザインはやや好みがわかれそうですが、製品のクオリティは申し分なく、音質も充分まとまっていて実用的に使えます。
無線ヘッドホンが5,000円以下でaptX HD対応というのも魅力的ですが、COUMIは、セールやクーポンなどを駆使すれば、さらに格安で購入できます。
Mpowは付属のオーディオプラグが金メッキ。それに対し本製品は銀(ニッケル)メッキ。
こういった部分でも徹底してコストを抑えているからこそ、安く提供できるのかもしれません。
あとは他モデル含め在庫切れも散見するので、そのあたりを解消してくれることを、COUMI(KOUPE)にはぜひ今後頑張ってもらいたいです。
話が脱線しましたが、「COUMI M10(BT-350 )」は価格的なメリットとクオリティを兼ね備えた、実用性の高いモデルといえそうです。
【総合評価】 | |
製品名 | COUMI M10(BT-350 ) |
総合おすすめ度 | 3.8 |
【その他同社モデルは下記より】